Monday, July 31, 2017

何か変ですよ 64: 日本の問題、世界の問題 1


*1


日本の現状を見ていると不安がよぎる。
社会や経済は徐々に蝕まれているが、多くの国民はその日暮らしに追われている。
この悪化の構造は世界に蔓延しており、放置すれば危険です。
この事について見て行きましょう。


はじめに
国民は日本の現状をどのように見ているのだろうか?

今、籠池や加計問題などで首相が責められ、東京都議選で都民による現政府への批判が示された。
しかし、これは一首相への人気が一時醒めただけのことかも知れない。
おそらく、多くの日本人は現在悪化が進行しているとしても、これは一過性で景気が良くなれば解決すると思っているだろう。
しがって根本的な手立てが必要とは考えない。



ここで内閣府の世論調査の結果を見ます


 

< 2. 2009~2013年度の世論調査の比較 >

これによると5年間で満足度が上昇しており、満足度が高いのは60歳以上と言える。
この時期、内閣は麻生、鳩山、菅、野田、第二次安倍と目まぐるしく交代した。
経済は、2008年のリーマンショックから立ち直りつつあるところに東北大震災が起こり、低迷していた。


今年2017年1月と2007年1月の世論調査を比較します。

*良い方向に向かっている分野について、今回第一位は「医療・福祉」で31.4%、10年前の第一位は「科学技術」19.7%で、「医療・福祉」は第三位で16・5%であった。

*悪い方向に向かっている分野について、今回第一位は「国の財政」で37.1%、10年前の第一位は「教育」36.1%で、「国の財政」は第四位で32.7%であった。

*現在の世相で、明るいイメージについて、今回第一位は「平和である」で61.6%、10年前も第一位は「平和である」で50.9%であった。

*現在の世相で、暗いイメージについて、今回第一位は「無責任の風潮が強い」で39.5%、10年前も第一位は「無責任の風潮が強い」で58.3%であった。


今年2017年1月と2008年2月の世論調査を比較します。

*社会で満足している点について、今回第一位は「良質な生活環境が整っている」で43.2%、9年前も第一位は「良質な生活環境が整っている」で29.0%であった。

*社会で満足していない点について、今回第一位は「経済的なゆとりと見通しが持てない」(43.0%)、以下「若者が社会での自立を目指しにくい」(35.5%)、「家庭が子育てしにくい」(28.7%)と続く。

9年前も第一位は「経済的なゆとりと見通しが持てない」(42.4%)、以下「家庭が子育てしにくい」(32.1%)、「若者が社会での自立を目指しにくい」(31.6%)と続く。

調査年の2007年1月は、第一次安倍内閣の時で、世界的に株価が上昇し好景気であった。
2008年2月は、福田内閣の時で、前年後半から株価が下がり、リーマン・ショックが起こった。

二つの比較から、現在の世論は前回に比べ「医療・福祉」で良い方向に向い、「国の財政」は悪化しているとなっている。
不思議なことに、現在はより「平和」で、「無責任な風潮」が後退していると思われている。

現在、「良質な生活環境」がより整っているとして満足度は上昇しているが、「経済的なゆとり」「子育て」「若者の自立」は依然として改善されていないと思われている。

以上三つの世論調査の結果から察するに、国民は特に悪化が進んでいるとみなしていない。


どこに問題が隠れているのか?
現在、景気が良くなった実感を持つ人はあまり多くはないだろう。
だが失業率や株価などは、景気がやや良くなっていることを示している。

ここ数年、海外の好景気もあり見過ごされ易いが、悪化は進行しているのだろうか?


 

< 3.家計貯蓄率 1 >
このグラフは2015年1月の東洋経済の記事の一部借用です。

データーは少し古いのですが、これから日本の長期衰退の元凶の一つが見える。

上のグラフ: 高度経済成長時、日本の貯蓄率は際立って高く、貯蓄が産業投資を可能にしており、好循環を生んだ。
しかし2013年、ついに貯蓄率は始めてマイナスになった。

下のグラフ: ここ20年ほどの各年の金融資産の動きが示されている。

ここから重大な構造的要因が見えて来る。
一つは、各家庭の貯蓄率が減少し、マイナスになる中、遂に国の資産は企業の内部留保増加分だけになってしまった。
(内部留保とは企業が税引後利益から配当金や役員賞与などの社外流出額を差し引いて、残余を企業内に留保すること。)

今後、家計の金融資産(各家庭の貯金や保険など)で国の負債(国債)を賄うことが出来なくなった(日本の2017年3月の累積家計金融資産は1800兆円)。

実に歪な経済構造になった。
国民は所得が少ないから貯蓄を食いつぶし始めた。
一方で、企業だけが収益を毎年内部留保として蓄え続けるようになった。

この内部留保を賃上げに廻せば、消費を促し景気は良くなるだろう。
またこの資金で設備投資を行えば、現在、低くなってしまった日本の労働生産性が向上し、これまた景気拡大に繋がるだろう。

結局、法人税減税などを行っても、企業が貯め込んだ資金は実需に向かわず、金融で稼ぐだけとなり、これがまたバブルや格差拡大の災いを招くことになる。

もう一つ気になることは、今後、国が国債を増発する為には、買い手である企業を益々儲けさせなければならないことです。

これは1980年代から、米国を筆頭に先進国で行われて来た誤った規制緩和と減税が世界に蔓延してしまったことと、日本のセーフティネットが遅れていることが起因している。


 

< 4. 家計貯蓄率 2 >

上のグラフはAllAboutの2015年1月の記事の一部借用です。
日本の貯蓄率が先進国の中で、際立って低下していることがわかります。

下のグラフは2015年1月の東洋経済の記事の一部借用です。
棒グラフの家計可処分所得(各家庭が消費に回せる金額)が日を追って低下し、それに連れて貯蓄率が低下しているのがわかる。



 

< 5. 企業の内部留保 >

このグラフはBlogosの2016年12月の記事の一部借用です。

青の棒グラフは資本金10億以上の大企業の内部留保の累積額で、2015年度は313兆円でした。
赤線は非正規率(雇用者数に占める非正規雇用者数の割合)と実質賃金です。

内部留保増と雇用者の状況悪化には因果関係が伺えます。
この悪化は政府がこれまで進めて来た、企業の競争力向上に名を借りた雇用規制緩和が招いたと言えます。
こうして得られ退蔵されている内部留保を正規雇用や賃上げに廻せるように政府が牽引すれば良いのですが、今のところその兆候はない。

例えば、ブラック企業で名高い電通ですが、2015年の内部留保は8098億円で、5年間で42%の増加でした(凄いですね)。
電通の社員は4万人ほどいるので、一人当たり2000万円の蓄えとなります(関係ありませんが)。


これらから見えて来るものがあります。

一つは、世界的な法人税引き下げ競争と非正規雇用の拡大がこの結果を招き、さらに日本がこの低所得層への対策を怠って来たことです。

日本の経済成長の低迷が問題にも見えますが、企業収益から見ると、偏った見方だと言えます。
この実例は米国のここ半世紀の所得格差が示しており、高い経済成長があっても多くの雇用者の所得はほとんど上がっていないのですから。

現在の低経済成長は、アベノミクスで改善を目指している、これまでの低い貨幣供給量と円高にも起因しているが、これがすべてではない。

他に長期的な労働人口の低下が大きく、既に紹介した様々な歪が災いしている。
今回見た内部留保増大と賃金低下は、明らかに低経済成長と所得格差拡大を招いている。

これまでの間違った政策の蓄積が災いしている。
但し、これを改めるには、ここ半世紀で作られた既成概念の打破と、世界が協調して事に当たらなければならない。


次回に続きます。






Sunday, July 30, 2017

フランスを巡って 30: ランスの大聖堂 2





 

< 1.微笑みの天使、右端 >


今日は、大聖堂の外観を詳細に紹介します。
これはゴシック様式の傑作であり、由緒ある教会です。


 
< 2.大聖堂の外観、左がほぼ北方向 >

数字と線は以下の写真のおおよその撮影位置と方向を示します。



 

< 3. 正面、地図番号1 >
上左の写真: 正面、ほぼ西側。

上右の写真: バラ窓の上に並ぶ像の中心がクロヴィス王と思われる。
クロヴィス王はフランスの礎を造ったフランク王国の初代国王です。
5世紀末、クロヴィス王はこの地でキリスト教に改宗し、戴冠式を行った。
これにより、この地はフランス王家の聖なる都市とされ、歴代国王の戴冠式が行われた。

下の写真: 中央門の上部(切妻屋根の内側)で、王らしき人物が左側の女性に王冠を載せている彫像は「聖母戴冠」を表している。
このノートルダム大聖堂は聖母マリア(ノートルダム)に奉じられている。


 

< 4. 北側 >

上左の写真: 地図番号2.
正面左側(北側の鐘楼。

上右の写真: 地図番号3.
ゴシック建築の高さを生み出すため、側壁を補強しているフライング・バットレス(飛梁)のアーチが並ぶ。

下左の写真: 地図番号4.
翼廊(十字架の横木に相当)の北側。
ここには門が三つあるが、写真では右側の門が写っていない。

下右の写真: 地図番号5.左側の門を拡大。
中央の像は「美しい神」で、その上部のレリーフは「最後の審判」です。


 

< 5. 後端部、東側、地図番号6 >

上の写真: 後端部から南側面を望む。

下の写真: 工事が無ければ放射状に配されたフライング・バットレスと礼拝堂が美しいのだろうが、残念です。




 

< 6. 屋根 >

上左の写真: 地図番号8.北側の鐘楼。

上右の写真: 地図番号7.翼廊の南側の屋根の上を望む。
頂上に射手座が見える。

下の写真: 地図番号9.正面右から翼廊の南側の屋根を望む。


 

< 7. 正面、左側(北側)の門。地図番号10. >

上の写真: 正面、左側の門。

下左の写真: 門に向かって左側の彫刻。
右にあるのがゴシック彫刻の傑作「微笑みの天使」です。

下右の写真: 門の右側の彫刻。


 

< 8. 正面、右側(南側)の門。地図番号11. >


 

< 9.ジャンヌ・ダルク >

上の写真: このジャンヌ・ダルク像は大聖堂の正面広場の北西にある。 

右の地図: ジャンヌ・ダルクが活躍する直前の逼迫したフランスの状況(灰色部)。
ブルゴーニュ公国(紫部)は英国(赤部)と同盟しており、フランスの敵国であった。

下の絵: 1429年、この大聖堂でフランス国王シャルルが戴冠式を行った。
右手の女性がジャンヌ・ダルクでしょう。

ジャンヌ・ダルクはシャルルの戴冠式の最大の功労者であった。
彼女は百年戦争(1337-1453年)で劣勢をかこっていたフランス軍を一気に活気づけ、形勢を逆転させた。

英国軍による半年にわたるロワール川沿いのオルレアン包囲戦に、彼女が参戦すると9日間でフランスに勝利をもたらした。
その後、フランス軍の連戦連勝が続き、2ヶ月後にはシャルル前述の戴冠式を行うことが出来た。

戴冠式の2年後、ジャンヌ・ダルクは戦闘中に敵軍(ブルゴーニュ公国軍)に捉えられ、異端者として火刑に処された。

その後フランスは、英国と同盟していたブルゴーニュを離反させ、自国との同盟を成功させ、英国軍をフランス国土から完全に追い出し、百年戦争は終結した。

なぜかシャルルは、百年戦争の好転を招来した彼女を助けることはなかった。
彼女はこのシャンパニューの小村の農家で生まれ、神の啓示を受け、そして戦い死んだ。
彼女はカトリックから異端者にして、聖人にも列せられている。


大聖堂の歴史


 

< 10. 大聖堂の歴史、ウイキペディアより >

上の絵: 19世紀初頭の大聖堂。
下の絵: 第一次世界大戦で燃える大聖堂。


現在の大聖堂は13世紀始め、火災で焼失した教会の代わりとして、建設が開始された。
13世紀中頃、建設費の重税に苦しんだ民衆が反乱を起こしたり、14世紀中頃、英仏の百年戦争で工事が中断したりした。
ようやく完成したのは二つの鐘塔が完成した15世紀後半だった。

その後、フランス革命時の動乱で大聖堂の彫像が多く破壊されたが、国が彫像の多く修復た。
しかし、第一次世界大戦中のドイツ軍の空襲や砲撃を受けたことで、彫像や約半数のステンドグラスが失われ、特に空襲により発生した火災は屋根の全てを覆い尽くし、大聖堂は壊滅的な被害を受けた。

終戦後再建が開始され、1938年に竣工した後に一般に開放されたが、現在も一部修復作業が行われている。



次回に続きます。



Saturday, July 29, 2017

Something is strange! 63: Why don’t they teach evolution theory

何か変ですよ 63: 進化論を教えないこと




*1


Turkey don't teach evolution theory in high school, so our world begins retreating more.
With this, evolution theory is kept away not only in Christianity but also in Islam.
We briefly look at harmful results of not teaching evolution theory.


世界がまた一つ後退し始めた、トルコが高校で進化論を教えなくなるからだ。
これでキリスト教圏だけでなくイスラム教圏でも進化論が遠ざけられる。
進化論を教えない事の弊害について考えます。





*2

Introduction
The evolution theory Darwin advocated is widely recognized as science in the world.
On the other hand, many religions have individual creation myths about human birth, so they conflict with the evolution theory.
And people who believe that the scriptures are correct one by one is stubbornly opposed to introducing the evolution theory into their school education.

Is it a problem if the public can't learn about evolution theory  ?
It surely expose the advancement and peace of the world to risk, If the public can't understand the key point of the evolution theory.
I will briefly explain this.


はじめに
ダーウィンらが唱えた進化論は世界で科学として広く認められている。
しかし、多くの宗教は独自の人間誕生の創造神話を持っており、これが進化論と衝突することになる。
そして聖典を一字一句正しいとする人々は、頑なに進化論を学校教育に導入することに反対する。

国民が進化論を教わらないことは問題でしょうか?
国民が進化論の要点を理解しないことは世界の発展と平和にマイナスになるはずです。
このことを簡単にみます。


Education Controversy about the evolution theory in the United States
In states that many Christian conservatives live in, from the 1920 's, state laws prohibiting teaching the evolution theory at schools were established one after another.
On the other hand, liberal people disputed it and these ban laws were brought to the US Supreme Court and contested.

Finally, in 1987, these ban laws were considered unconstitutional and the contest of the evolution theory got determined.
During that time, conservative wing and liberal wing intensely controverted and had a PR war about " Is the evolution theory a science?  Is the Creation in the Bible a historical fact?"

Even now, about half of the Americans believe that " God created humans about 10,000 years ago."


米国での進化論教育論争
米国において、キリスト教保守派が多い州では1920年代から、進化論を学校で教えることを禁止する州法を次々と成立させた。
一方で、リベラルな人々がこれに異論を唱え、幾つものこれら禁止法が連邦最高裁判所まで持ち込まれ争われた。
そして遂に、1987年、禁止法は違憲であるとされ進化論裁判は決着した。
この間、保守派とリベラル派で「進化論は科学か? 聖書の天地創造は歴史的事実か?」を巡って激しい論争と広報合戦があった。

米国民は今でも、約半数の人が、「神が1万年ほど前に、人間を想像した」と考えている。




*3


Reason why the evolution theory is denied
"God made the heavens and earth. ..... God made a man in the image of God."
This is at the beginning of the Bible, Genesis.
That's why this God's word contradicts the evolution theory.

On the other hand, the evolution theory explains as follows.
"Very simple primitive organisms had repeated various mutations, only things adapted to the environment remained, and various creatures were born by the natural selection. One kind of them became humanity."

The evolution theory doesn't require existence of God.
And, the natural selection theory gives people an image of the jungle law.
Furthermore, mankind that is only product of chance hasn't greatness being due to be chosen by God.

Therefore, Christian conservatives (annotation 1) that think the Bible absolute are sure not to admit this.


進化論が否定される理由
「神が天と地をつくった。・・・。神は神に似せた人をつくった」
これが聖書、創世記の冒頭にあり、この神の言葉が進化論と矛盾するからです。

一方、進化論は以下のように説く。
「極めて単純な原始生物が様々な変異を繰り返し、環境に適応したものだけが残る自然淘汰によって様々な生物が生まれた。その一つが人類です。」

進化論は神の存在を必要としません。
また自然淘汰説は弱肉強食をイメージさせます。
さらに偶然の産物に過ぎない人類には神に選ばれた偉大さがありません。

これでは聖書を絶対と考えるキリスト教保守派(注釈1)は認めたくないはずです。


Other religions and the evolution theory
Since ancient times, there were creation myths in each place, the origins of heavens and earth, people, royal family etc. were explained in them.
And many religions, Judaism, Islam and Hinduism were incorporating them (annotation 2).

Naturally, the evolution theory was also unacceptable for Muslims.
Turkey, which was most advanced in secularization, finally removes the evolution theory from the curriculum following Saudi Arabia. (keep teaching at university)


他の宗教と進化論
古来より、各地に創造神話があり、天地や人、王家などの起源が説明されています。
そして多くの宗教、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教はそれを取り込んでいました(注釈2)。

当然、イスラム教にも進化論は受け入れがたいものでした。
世俗化が最も進んでいたトルコが、ついに厳格主義のサウジアラビアに次いで進化論を教育課程から外します(大学では教える)。




*4

What is the problem?
The greatest harm to deny the evolution theory to protect myths in the scripture is that people lose scientific mind.

Importance of the scientific mind is obvious from human progress, development of medicine and living environment.
The importance of the scientific mind is to know the limits that human can understand (annotation 3), and the theory is constantly being improved through actual proof.
People can keep superstitions and delusions away by knowing this.

Also, admitting only their creation myths will deepen the conflict between the religious believers and the other religious believers

There are other reasons why the evolution theory is important.

Human evolution theory - human beings born in Africa spread to the world and we  are the descendants, and if we knew this fact, we easily can realize that mankind is one.

The other is to know the background that various human mentalities, deep affection, mutual respect, hatred, anxiety, etc. were born. 
Because of this, many prejudices will be lost and understanding to others will deepen.

Much of the human mentalities grew for Animals’s survival through the process of evolution.
For example, our brain has an organ that secretes hormones enhancing romantic feeling, and this operation is determined by genes and individual growth processes.
But, because it has varied, some person may feel love the same sex.



何が問題なのか?
聖典の創造神話を守る為に進化論を否定する一番の弊害は、人々が科学的な視点を失うことです。

科学的な視点がなぜ重要かは、人類の進歩、医学や生活環境の発展を見れば一目瞭然です。
科学的な視点で重要な事は、人間の理解出来る限界を知り(注釈3)、その理論が絶えず実証を経て改良されていることです。
これを知ることで人々は迷信や妄信を遠ざけることが出来る。

また自分たちの創造神話だけしか認めないことは、どうしてもそれを信じる教徒と他の宗教徒の対立を深めることになる

進化論が重要な理由が他にもあります。

人類の進化論-アフリカで誕生した人類が世界に拡散し、我々はその子孫であることを知れば、我々は人類が一つであることを実感出来るはずです。

今一つは、人類の心性―深い愛情、助け合う心、憎しみ、不安感、などが生まれた経緯を知れば、多くの偏見が無くなり、他者への理解が深まることでしょう。

心性の多くは、進化の過程で動物がより生き残る為に育まれた。
例えば、男女の恋愛感情を高めるホルモンを分泌する器官が脳にあり、この働きは遺伝子と生育過程によって制約されている。
これにバラツキがあるので、同性にも愛を感じることがあるのです。




*5

At the end
I am really sad.
Although it can be said that many religions left a great footprint to mankind.

But, now also, for coming back to the source of the religion, the world invites conflict and seems to proceed in a nonscientific direction.



最後に
実に悲しいことです。
宗教は人類に偉大な足跡を残したと言えるが、今また、宗教の原点回帰と称して、世界は対立を招き、非科学的な方向に進むように思える。


注釈1.
キリスト教保守派とはプロテスタントの中でもキリスト教原理主義者などを言います。

注釈2.
仏教と儒教の宗祖、釈迦や孔子は宗教的・神話的なものを避けようとして、天地や人間の起源の説明に深入りしませんでした。

注釈3.
人間は宇宙や社会を完全には理解出来ないが、絶え間ない努力により、その限界を広げることが出来る。
人間は知を求めるものですが、知について謙虚であるべきです。

Tuesday, July 25, 2017

フランスを巡って 29: ランスの大聖堂 1




*1


これからランスの大聖堂を数回に分けて紹介します。
今回は、大聖堂の周囲を一周します。


ランスについて
この都市はフランス北部、パリの東北東142kmのところにある。
人口約20万、古来より、羊毛の織物工業が盛んで、現在でも商工業が発達している。
かつては歴代のフランス国王がここの大聖堂で戴冠式を行った。
そしてシャンパン醸造の一大中心地です。


 

< 2.ランスのノートルダム大聖堂 >

黄色線が周囲を歩いたルートで、写真は概ねSから始まります。

大聖堂を訪れたのは旅行6日目、5月22日(月)、12:10~15:00です。
私達はオプションの昼食を注文していなかったので、途中のトイレ休憩で立ち寄ったコンビニでサンドイッチを買って、大聖堂の広場で食べました。
その後の自由時間を一人で周囲を歩いた。
また皆が集合して現地ガイドに大聖堂を案内してもらった。
その後、バスに乗ってサン・レミ・パジリカ聖堂に向かった。


 

< 3. 大聖堂の外観 >

地図のSから黄色線に沿って一周した。


 

< 4. 後陣側 >



 
*5

写真5~9は地図のS近くから外周を一周した順に並んでいます。



 
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*7

 
*8

 
*9


 

< 10. 大聖堂近くの通り >


 

< 11. 大聖堂周辺で 1 >


 

< 12. 大聖堂周辺で 2 >

下の写真: 学生らしいグループにカメラを向けると、数人の青年が笑顔でピースをしてくれた。
今回の旅行中、各地でそれと無く人々にカメラを向けた時、若い人達が驚くほどの笑顔で写真に応じてくれた。
フランス人が人懐っこいのか、日本人に好感を持っているのか、または両方かもしれない。
気持ちの良いものでした。



次回に続きます。






Monday, July 24, 2017

デマ、偏見、盲点 20: 衆愚政治の恐ろしさ



*1


今日は、今、世界を席巻しつつある衆愚政治についてみます。
これは大衆迎合、ポピュリズム、右傾化、全体主義とも重なります。
世間ではこれを肯定する人々がまだ多数おり、危険な状態が続いている。



はじめに
皆さんはヒトラー総統やトランプ大統領は衆愚政治やポピュリズムを象徴する人物と思いますか?

言葉の厳密な定義は、学者でも意見が分かれていますので、気にしないでください。
イメージで結構です。
例えばヒトラーとトランプの似ている所はどのようなところでしょうか。

先ず、演説時の壇上のパフォーマンス、特に表情、手の扱いなどが似ています。
共に一貫性のある思想や政策がない(ヒトラーは適宜変節していった、トランプは支離滅裂か自由奔放)。
既存のエリート層、政治家、大企業、マスコミ、知識人を徹底的に否定する。
一方、我こそが大衆、労働者の味方で、雇用と労働条件向上を実現すると宣言する。
その達成手段は、自民族(ゲルマンかホワイト)だけの繁栄、他者(ユダヤかムスリム)を排除、そして力の行使(軍事力か経済力)で共通する。

二人は大変似ており、ヒトラーが衆愚政治によって生まれたのだから、トランプもも衆愚政治の産物と言えます。
それではなぜ、悲惨な歴史を知っているはずの人々が、未だにトランプを評価するのでしょうか?

トランプを肯定的に見る識者達の見解を要約すると以下のようになるでしょう。
一つは、彼らの多くは米国の共和党寄りのようで、単に民主党嫌いが理由のようです。
もう一つは、トランプが優れたトップの可能性を秘めいていると言うものです。

実は、ここに問題があるのです。
歴史的に見て、衆愚政治でトップになった人物は、その大言壮語なスローガンと破壊的な行動力が大衆から絶大な期待を集めていたのです。

衆愚政治のトップに共通する特徴があります。
彼らのほとんどは徳が無く下劣な品性の持ち主ですが、敵をやり込める口汚さなどの攻撃能力や大衆受けする芝居がかった振る舞いが前者の欠点を帳消しにして余りあるのです。
ヒトラーの場合は、クーデター未遂事件での収監時の態度が潔しとされ、トランプは身銭を切って選挙を戦ったことで好感されたように。
また共に、敵を徹底的に打ちのめします。
ヒトラーがスパイ紛いの汚い仕事をしていようが、トランプが税金を払わず、幾度も倒産して事業を拡大していようが人々は問題にしないのです。

衆愚政治の真の恐ろしさは、このようなトップを待ち望む人々がたくさん存在することなのです。
人々の期待を実現すると大風呂敷を広げ、行動力があると思わせれる人物が、衆愚政治のトップになるのです。
その結果、多くは破局に向かうのです。

破局に至る理由は簡単で、その手の行動力があると思われる人物は道理を顧みず、未来を深慮せず、他者を害することを厭わないからです。
社会が閉塞状態になったり、外からの脅威に晒されたと大衆が強く感じると、このような人物こそが、現状を打開できる人物と見なされ易くなるのです。
このことは米国で行われた心理学の泥棒洞窟実験が良く説明しています。

国が軍事的脅威に晒されると、粗野であっても、こわもてのトップが選ばれるのが常です。
衆愚政治から生まれたトップがいつも不幸をもたらすとは限らないが、社会が危険になる確率は高まる。


 
*2


衆愚政治の代表例
実は、世界史に名だたる衆愚政治の極め付きが2400年前にあった。
これは有名な古代ギリシャの都市国家アテナイで起きた。
この実に馬鹿げた悲惨な事件は、衆愚政治の愚かさをよく物語っています。

時は、紀元前415年、アテナイは200隻の軍船と数万の漕ぎ手と兵士をシチリアに向け出撃させた。
そして全滅するか、捕虜になってすべてが死んでいった。

戦史家トゥキュディデスはこの戦いを「ギリシャ史において、これ以上なく悲惨な敗北を喫し、完膚無きまでに打ち負かされた」と語っている。


 
*3

この戦いはなぜ始まったのか。
古代ギリシャとアテナイの絶頂期はペルシア軍を撃退した紀元前5世紀前半でした。
盟主アテナイは軍事力と軍事遠征で巨大な富を手に入れることに味を占め、やがてギリシャ全土が戦いに明け暮れるようになった。
その大きな戦争の一つがスパルタとアテネが勢力を二分して戦ったペロポネソス戦争(B.C.431-B.C.404)で、これが衰退の始まりでした。

アテナイは絶え間ない戦争で疲弊していたが、降ってわいたシチリアからの救援要請に、世論は慎重派と積極派に分かれた。
慎重派はアテナイの国力が前回の戦いから充分回復していない状況で、兵力が充分な手強いシチリアへの遠征は無謀だとした(これは的確な情報分析だった)。

すると、若い煽動家アルキビアデスは、シチリアは大きいとは言え、烏合の衆であり、気概のある相手ではなく、この際、支配権を拡大する絶好の機会だと訴えた。
そして大勢は決し、しかも大編成で行うことになり、彼は遠征軍の三人の司令官の一人に任命された。

ところが出撃すると、彼は神像破壊の容疑者としてアテナイから召喚を命じられます。
彼は日頃から傲慢で放埓であった為、敵が多く疑いがかけられたのです。
すると彼は敵国スパルタに亡命し、アテナイの情報を漏らし、スパルタにシチリア遠征を薦め、遂にアテナイ軍は殲滅されることになった。

なぜこんな裏切り者の軽薄なアルキビアデスの言をアテナイ市民は信じたのだろうか?
彼は名門貴族の出で、ソクラテスの弟子であり、演説家、政治家で、その美貌と才能によって市民に絶大な人気があった。
また彼は野心家で、それまでも遠征を焚き付けており、今回、成功すれば自分の名声と富が一層高まることをもくろんでいた。
彼の演説を聞いたアテナイの若者達は、昔の栄光の再来を夢見て、遠征に熱狂していったのです。
その後、アルキビアデスは各地で問題を起こし、ついには暗殺された。

この話には更に落ちがあります。
始め、アテナイはシチリアでの敗北を信じず、やがてパニックになった。
慎重派があれほど無謀だと指摘していたにも関わらず、現実逃避していたのです。

その後、アテナイの同盟国が次々と反旗を翻した。
その混乱の中、アテナイは民主政を捨て暴政にのめり込み、あらゆる面で衰退が加速していった。
ちょうどこの頃(B.C.399)、皮肉屋のソクラテスは濡れ衣を着せられ毒殺されることになった。
その後、アテナイはスパルタに占領され、さらに半世紀後(B.C.338)にはマケドニア王国に屈服し、ついに命脈は尽きた。


 
< 4. ソクラテスがアルキビアデスにシチリア遠征の中止を説く >


何が問題なのか
まさに、アテナイのこの一連の事件には「はじめに」で紹介した衆愚政治のパターンが凝縮されている。

閉塞状態に陥っていたアテナイ市民は、アルキビアデスの欠点には目もくれず、途方もない夢だからこそ飛びついたと言える。
彼は野心家で、大言壮語し、責任を取るどころか裏切りすら平気な人物でした。
そんな人物に振り回され、あれだけ栄華を誇り、民主政を生み出した国家が無惨な結末を迎えたのです。

もしアテナイの市民が煽動家アルキビアデスを信じなければ、または彼が生まれていなければアテナイは繁栄を続けることが出来たのだろうか?
この文章でアルキビアデスをヒトラーに替えたら・・・・。

大なり小なり、代わりの人物がこのトップの役を担うことになるでしょう。
もっとも、アルキビアデスやヒトラーほど優秀(極悪)ではなく、損失はまだ少なくて済んだかもしれませんが。
つまり、最も恐ろしいのはこのような人物をトップに崇める人々、偏向したマスコミ、権益擁護者の存在なのです。


 
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現在、あなた国のトップは、このアルキビアデスのような人物ではありませんか?
その人物は家柄が良く人気があり、大言壮語し、力に頼り、敵を激しく罵り、簡単に辞めたり、方針転換したり、都合が悪くなれば逃げ回る人物ではありませんか?

もし居るとすれば、衆愚政治を支える人々が多く居ることの証であり、それが減らない限り、同じようなことが続くことになる。
とりあえず、そんなトップは居ない方が良いのですが。


皆さん、くれぐれも注意願います。





Sunday, July 23, 2017

フランスを巡って 28: ストラスブールからランスへ






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今回は、フランスの東北部、ストラスブールからランスまでの車窓風景を紹介します。
そこには、なめらかな起伏をもつ広大な緑の大地が広がっていました。
私達はフランスの誕生や幾多の戦いと関わりがある地を走り抜けていきました。


この日のルートについて
写真は旅行日7日目、5月23日(火)、ホテル出発8:00でランス到着12:10までの景色をバスの車窓から撮ったものです。
この日の朝は雲に覆われていましたが、走るに連れ雲が無くなり青空が広がって行きました。

このルートはアルザスの北部からロレーヌを抜け、シャンパニューに入ります。
この三つの地は順にドイツ、ルクセンブルグ、ベルギーと北側で国境を接しています。
前回紹介したように、アルザスとロレーヌはほぼ500年間、フランスとドイツ(神聖ローマ帝国、プロイセンなど)の激戦地となりました。
第一次世界大戦の西部戦線、第二次世界大戦のマジノ線をどこかで横切ることになります。
またフランス革命戦争の地ヴァルミー、晋仏戦争の地リヒテンベルクの近くを通過することになります。

シャンパニュー地方は発泡性ワインのシャンパンと、大聖堂で有名なランスがあります。
英仏の百年戦争の英雄ジャンヌダルクはシャンパニューで生まれ、ランスの大聖堂とも関わりがある。

以下の写真はすべて撮影順に並んでいます。


 
< 2. 走行ルート >

地図: 上が北で、青線がランスまでのルートです。
Aはフランス革命戦争の地ヴァルミー、Bは晋仏戦争の地リヒテンベルクです。
Cはジャンヌダルクの誕生の地です。

下の写真は朝のストラスブールです。


 
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下の写真: 軍用車の列に遭遇した。

この近くに駐屯地があります。


 

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下の写真:屋根側がアルザスとは異なります。
撮影9:20.
 

 
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< 13. ランスに到着 >


あとがき 
私の目には、この道からの景色は豊かな自然に恵まれた平和な地としか映らなかった。

三つの国と国境を接し、紛争を重ねたことが嘘のようです。
またこの地はワイン栽培の北限であった為、他のワイン産地に負けて、打開策としてシャンパンを生み出さなけれならなかった。

またシャンパニューのランスは、ローマ帝国滅亡後、フランスの源流となるフランク王国誕生(5世紀末)時の領土の中央に位置した。


次回に続きます。