Thursday, October 8, 2026

連載 国民の責任 3; 独裁に魅了された人々



「上記5人にはある共通点があります」

 

国が戦争を始めた時、「国民に責任があるのか」、日本と米国について考えます。

 

 

前回、日本の軍人(陸軍)が如何に狭量だったかを見ました。

そして彼らは、よりによって最も信頼できないヒトラーに望みを託した。

結果は、散々でした。

一方、この結末を予想出来た海軍の米内(よない)は、国の命運を託され幾度も内閣への入閣を果たしたのですが、陸軍の抵抗に遭い、挫折を味わうことになった。

 

実は、これと同じことが今も起きているとしたら、あなたはどうすべきですか?

 

 

国が間違った方向に進まない為に

 

それは「独裁者に魅了される人物」を避ける事に尽きる。

先ず独裁者を選ばないことは当然ですが、指導者がはじめから独裁者であるより、徐々に独裁へと進むことが多い。

「独裁者に魅了される人物」は、自身が独裁者になるか、独裁者に追従する可能性が高いので、国民はこのような人物を政治から遠ざけるべきです。

 

日本の著名人にトランプに魅了され、礼賛した人は多い。

政治家では、安倍晋三、麻生太郎、高市早苗、神谷宗幣、松井一郎等が代表格でしょう。

ジャーナリストでは木村太郎、門田隆将、櫻井よしこ、百田尚樹等が知られています。

経済関係では孫正義、堀江貴文、高橋洋一等が目立ちます。

 

これら人物には共通点があり、保守とか右翼に一括りされることがある。

しかし、問題はそこでは無い。

国民が指導者を見定める時、視野が広いか、目指しているのは国民の幸福か、信頼できるかの評価を必ず加えるべきです。

 

太平洋戦争に突き進んだ日本軍ほど敗北を嫌い、その為に兵士と国民の命をまったく顧みなかったことは、対戦国を驚愕させた。

これが原爆投下にも繋がった。

この軍人達は、上記の視点に立てば、評価に値しないことになる。

 

 

 

トランプに魅了された人物と、ヒトラーに魅了された人物に共通点はあるのか?

 

通常、一国の独裁者にとって国民は収奪する対象であって、慈しむものでは無い。

また独裁者は同盟集団(側近や与党)を如何に手なずけるか、その為の利得(資金や地位)をどう確保するかに神経を集中させている。

このような独裁者に追従する人は、視野が広量で、目指すものが国民の幸福であるはずがない。

律儀にそのようなことを守っている人物は、独裁者に嫌われる。

つまり、独裁者に魅了される人物は信頼出来ないと言える。

このような人は、自分の狙っているものを独裁者が代弁し、正当化し、与えてくれるなら、彼を褒め称え、付き従うのです。

これは当時の陸軍、東条、松岡などと同じでした。

 

 

それではトランプとはどのような人物でしょうか?

 




 

 

トランプの欠点を述べたらキリはないが、「ヒトラーは良いこともした」との発言が、端的に彼の本質を示している。

 

 

上記の内容を、まとめると以下の図になる。


 

「矢印は、各人が魅入っている人物を指す」

 

かつての陸軍、東条、松岡はヒトラーに魅せられて日本を破滅に追いやった。

独裁者(プーチン等)と気が合うトランプは、ヒトラーにも惹かれている。

そして安倍元首相と高市首相は、群を抜いてトランプにべったりです。

彼らは先進国の代表なのに矜持が見られない。

 

それでは高市首相とは、どのように人物なのでしょうか?

 


 

 

彼女の発言には二つの意味がある。

一つは、日本の太平洋戦争は悪いものでは無かった(五族共和か自己防衛の為)。

今一つは、当時の国民ではない私に責任があるはずも無い。

歴史を知っていれば、前者は明らかに間違いであり、後者は一般国民の意見としては残念だが、一国の指導者としては落第と言うことになる。

 

 

彼女は国を託せる人物としては、大きな欠陥を持つ人物と言えるでしょう。

 

 

 

--目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

Wednesday, October 7, 2026

 連載 国民の責任 2; 皇軍が選んだ道



 国が戦争を始めた時、「国民に責任があるのか」、日本と米国について考えます。

 

 

日本が戦争に至った道

 

日本が、かつて太平洋戦争に突き進み、世界と自国に多大な損害と苦しみを与えた。

約80年が経った今でも、隣国との軋みを感じる日々が続いている。

 

明治維新後、日本はいつから軍事独裁国家になり、大戦へと突き進んだのか。

1931年の満州事変以降、日本を戦争に引き込んだのは過激な陸軍中堅幹部達でした。

その後、良識ある政府要人や海軍首脳は戦線拡大を懸念し、大戦に繋がる日独伊三国同盟に反対し続けた。

反対理由は、同盟締結が米国を参戦に向かわせ、日本は米国の圧倒的な軍事力の前に敗戦確実と考えたからでした。

しかし陸軍のナチス・ヒトラーへの信奉ぶりは凄まじく、「勝ち馬に乗るべきで、三国同盟締結こそが米国の参戦を思い止まらせる」と考えた。

そして頻発する暗殺事件(5.15と2.26事件等の軍人蜂起)と盛り上がる世論は日本を飲み込んでしまった。

これは軍部が退役軍人会や右翼を用いて煽情し、憲兵を通じて国民を統制したことも大きく影響していた。

また戦争統帥部(天皇・軍部と内閣)の責任があやふやだったことも災いした。

もし満州から日中戦争へと拡大していなければ、日本は世界大戦に巻き込まれる事はなかっただろう。

 

 

何が問題だったのか?

 

この間、日本の上層部(内閣と軍部)は、独・米・ソの意図を幾度も読み間違い、甘い期待を持ち続け、特にドイツには見事に裏切られ、失敗を繰り返し、深入りしていった。

 

当時、海軍首脳の米内光政と山本五十六は、ナチスの敗退とヒトラーの裏切り、そして日本が米国に負ける事を想定していたので、三国同盟に終始反対していた。

米内(よない)は、世界各地の駐在経験とヒトラー「我が闘争」の読後感、またドイツの国情から、ヒトラーとドイツ軍事力は信じるに足らずと判断していた。

しかしながら当時、陸軍は気に食わなければ大臣入閣を拒否し、政治を麻痺させ続けたので、結局、同盟締結に引きずられてしまった(陸軍の行為は子供じみていた、トランプと似ている)。

陸軍はナチス・ヒトラーを信奉し、常に戦争継続を目論んだ。

この立役者は松岡外相と東条首相と言えるでしょう。

日本が日独伊三国同盟を締結した事と日本軍が南進(東南アジア侵攻)したことで、米国は日本にもドイツと同じ世界侵略の意図ありとし、日本との決戦を準備した。

 

 


 

「左から海軍の米内光正と山本五十六、松岡外相と陸軍の東条秀樹」

 

 

同盟締結の経緯で見えてくる狭量な軍人魂

 

同盟締結は米国との開戦を招いてしまった。

 

先ず、彼らは独裁者ヒトラーに完全に魅了されてしまっていた。

確かにドイツが一丸となり軍事力の急拡大、また当初の電撃侵攻には目を見張るものがあった。

しかし、彼らは、ドイツが海軍力と資源に乏しく英米相手の快進撃が継続不能だと読めず、さらにヒトラーをまったく疑わなかった事は致命的だった。

実際、ドイツは当初、日本と共にソ連を封じ込めようとしていたが、突如、ソ連と単独に和平条約を結び、さらにまた侵攻し敗北してしまった。

陸軍は裏切られたが、後の祭りだった。

日本の致命的なミスは、負けを取り戻す為に、もう一度だけ勝って有利な和平を結ぼうと戦い続け、負けを繰り返したことにある。

これは冷静に見れば不可能だった。

こうして原爆が投下されても、軍部は1億総玉砕で国土が灰になってもまだ戦おうとした。

また日本は真珠湾攻撃まで、和平工作と戦闘準備の両面で進んだが、連絡通信の暗号が解読されており、米国は日本の戦争準備を把握していた。

 

戦争を牽引した軍人達は、燃え盛る戦意だけは十二分にあったが、広く情報を集め冷静に分析する意識を持ち合わせていなかった。

 

 

当時の軍人の思い

 

初期において陸軍の脳裏にあったのは、米ソとの決戦に備え、満州を手に入れ、ここを橋頭堡にすることでした。

しかし欲をかいた一部の将校が、泥沼の日中戦争に突入させ、将兵の死者が45万人になった。

この不名誉を挽回せんが為に、米国提示の和平条件だった中国からの撤退が出来ずに、ずるずる深みにはまって、さらに甚大な被害を招いた。

そこで、頼ったのは力強く見えたナチス・ヒトラーだった。

そして日本はヒトラーに見事に裏切られ最後の一国になり、英米に加えてソ連の攻撃を受けて敗戦した。

 

愚策を選んだ人々は「ヒトラーに魅了された人々」であり、ナチス礼賛者だった。

明らかに、熱に浮かされた視野狭窄の多数が、視野の広い冷静な少数を追いやり、独裁者に付き従い、暴走していった決末が、太平洋戦争の敗戦でした。

ナチス・ヒトラーの悪行をみれば、幾つかの些細な長所があったにせよ、彼らに国を任せ、追従した指導者層の責任は重い。

少なくとも、ナチス・ヒトラーの危険性に気づいていた人々が、当時日本にいたのですから。

 

 

--目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Tuesday, October 6, 2026

連載 国民の責任 1; 悪化の責任は誰に

 


 

国が戦争を始めた時、「国民に責任はあるのか」、日本と米国について考えます。

 

 

国民の責任とは何か

私は、米国の現状を見ていて「国民の責任」を痛感するようになった。

もしトランプが独裁を完成させ、米国のみならず世界をも悲惨な状況に陥れたとしたら、誰の責任なのか?

現状のトランプはまだ未完ですが、放置すれば確実に独裁者になるでしょう。

その責任は、彼を担いだ人々にあるのは確かだが、「彼を選んだ国民にも責任はある」と考える。

 

 

それはなぜか

もしトランプの戦争がやがて大規模になり、国内外に甚大な被害や死者をもたらすようになれば、誰が責任を負うのか?

米国は、大戦後、数々の戦争を行って来たが、さらに大規模で無謀な戦争を始める可能性は、独裁者登場でより高まる。

トランプを煽情家・詐欺師に例えると、騙された米国民は被害者であって責任は無いと思うかもしれない。

この場合でも「過失により他人に損害を与えた責任」は米国民にあるだろう。

トランプに票を投じた人がより責任を追うべきだが、これを放置した人にも幾分の責任がある。

 

 

微妙な問題

ナチス・ヒトラーを生んだドイツ国民や日中戦争を始めた日本国民に責任はあったのか?

当時のドイツは民主主義国家であり、ナチスは選挙で選ばれていたが、独裁の完成はヒトラーの陰謀無くしては不可能だった(国会放火事件と非常事態宣言による共産党排除)。

少なくとも、当時、ナチスに票を入れた約3割の国民には過失があったように思える。

 

満州事変を始めた当時の日本の国会は、選挙で選ばれた二大政党によって運営されていた。

しかし、政治は戦争を望む軍部に牛耳られており、民意が反映される状況にはなかった。

国民が軍部の暴走を押しとどめることは極めて困難でした(治安維持法、年国家総動員法)。

これからすると、当時の国民に過失責任を問うことには無理があるかもしれない。

 

しかし、その後、両国民は対外侵攻に期待もし熱狂もした。

 

 

今の米国はどうだろうか?

米国民は、益々生活が暮らし難くなる中にあって、「悪化させている奴らを簡単に排除してやる」と言われ、その煽情者(トランプ)に解決を託してしまった。

これを可能にしたのが、長年続いていた既得権益層によるポストトゥルース、オルタネイティブ・ファクト(代替的事実)等の真実隠しでした。

真の悪化要因は半世紀に及ぶ政治にあり、連載「迫る多難な危機」の第四章で説明しました。

ここ10年ほどは、インターネット上の煽りやフェイクが加わった。

さらに悪いことに、宗教的信念が利用されて約1/4の米国民が煽情者を頑なに信じてしまった。

それでも煽情者の嘘と恐ろしさに気づいている人々は半数近くいる。

 

この状況を見るなら、宗教的な人々も含め、騙され煽情されている国民の約半数には責任があるように思えるが、疑問も残る。

 

騙され煽情されて誤って選択した人々に責任はあるのだろうか?

彼らは詐欺師に騙されたのと同様ではないか?

これを言うなら、ヒトラーの煽情に乗せられナチスに投票したドイツ国民も、言論統制下で軍部独裁に抵抗出来なかった日本国民も同じです。

 

それでは、「堕胎禁止、同性婚反対、イエス復活に繋がるパレスチナ攻撃」等の宗教的信念実現との交換条件で独裁を許容する人々の責任はどうなるのか。

この人々は、実現を可能にした独裁的な手法を賞賛しているが、独裁の本当の恐ろしさを知らない。

ヒトラーも総裁選を前にして、議席確保のため、教会を保護する約束と引き換えにドイツ中央党(カトリック系政党)を味方に引き入れた。

このような手口で宗教団体を政治に利用した政治家こそ責められるべきではないのか?

 

国が間違った方向に進む時、国民は微力かもしれないが、重要な選択を迫られ続けるものです。

この問題を紐解いていきます。

 

 

---目次---

 

1話;悪化の責任は誰に

2話;皇軍が選んだ道

3話;独裁に魅了された人々

4話;皇軍の軍人魂とは

5話;日本の戦争を振り返る

6話;軍備と敵について

7話;戦争に向き合う

8話;米国民へのお願い

 

 

次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Sunday, October 4, 2026

要約  迫る多難な危機  

 


「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」

 

まえがき

 現在、深刻な危機が我々に迫っています。さらに大国の横暴が目に余るようになり、より危険度が増しています。今、我々と米国民が立ち上がらなければ世界は手遅れになります。

Make the world and people happy again!

 

 

 

世界は危機に晒されている   第一章の要約

 


 

 

 10を越える世界的な危機が我々に迫っている。戦争・紛争の増加、独裁国家の増加、経済格差の拡大、再来する巨大金融危機、投機マネーの暗躍、深刻さを増す地球温暖化、ITに続くAI革命の脅威、激しくなる国内の分断(右翼ポピュリズム)、分裂を始めた世界の協力体制等です。

 

しかし喫緊の課題は米国の独裁化で、これが完成してしまうと米国だけでなく世界が破滅する。

 

 

 

人類は危機を乗り越えて来た    第二章の要約

 

 今の米国を見ると、手の施しようがないようにも思えるが、人類は、様々な危機を幾度も乗り越えて来た。戦争の終結に向けて平和条約を締結した幾多の国々、独裁者や大国の侵略から独立を非暴力で勝ち取った国民、拡大した貧富の差の解消を目指した改革者、繰り返す金融危機への苦渋の対応、公害や環境破壊への多国間の協力体制、産業革命で対立を乗り越え民主社会を築き続けた労働者、社会の分断を未然に防いだ優れた指導者、世界の平和と幸福に貢献し続ける世界機関創立などがその例です。

 

 我々人類は、数千年の間、危機、苦難、社会や国同士の対立を乗り越え、より平和と幸福を勝ち取って来た。英知を持って行動すれば必ず道は開ける。

 

 

 

 

我々が直面している危機   第三章の要約

 

しかし、21世紀以降、世界は悪化の度合を急激に深めている。

 


 

 

 喫緊の課題を採り上げます。先ずはプーチンとウクライナ侵攻です。これは独裁者の常であり、放置すればヒトラーによる大戦の二の舞いになる。注意が必要なのはトランプがプーチンと繋がっている可能性が高い事です(事実を積み重ねれば見える)。

 

多くの国で、勢いを増す投機マネーの横暴さと税金逃れが格差拡大とインフレを亢進させ、福祉削減が追い打ちをかけるように国民を益々苦しめている。

 

 地球温暖化は、既に取返しのつかない状況に陥りつつある。長期戦になるが今から防止策の遅れを取り戻す必要がある。

 

いま始まったAI革命は、適切に制御出来れば、人類に大きく貢献するだろう。しかし、人知を超えたAIは人類最悪の脅威になる可能性が高く、既にこの危惧は現実になり始めた。放置すれば手に負えなくなる。

 


 

 悪いことに、世界から最も頼りにされていた米国でアメリカンドリームが潰え、貧困と絶望死が増えた結果、分断の嵐が吹き荒れ、遂にはトランプによる独裁が現実化して来た。この米国の悲劇をもたらした真因は、多くの先進国の経済にも深く根付き、各国で右翼ポピュリズムが吹き荒れ、世界は分裂を深めている。

 

 このまま行けば、米国は人類史に大きな汚点を残すか、最悪、世界と共に滅ぶかもしれない。

 

 

 

 

緊急に対応しなければならない危機   第四章の要約

 


 

 

「米国民は、なぜこんな悲惨な道を歩み続けたのか?」の謎を解くことで、そこから脱出する方策が見える。

 

ポイントは三つある。

 大半の国民に取って希望が無くなり、生活が苦しくなったのは、80年代に始まる新自由主義(共和党レーガン大統領が始めた)にあります。これは規制のない自由市場、労働者(福祉政策低減も)を見捨てる、累進課税の撤廃、金融業界重視等が、長い年月を掛けて富裕層・大企業を繁栄させ肥大化させた。これがインフレを亢進させ、政策が富裕層・大企業にコントロールされるようになり、結果的に大半の国民の賃金が上がらなくなった。この悪弊は、日欧等の先進国にも共通しており、いずれ大問題になる。

 

 グローバル化やIT革命も災いしているが、この期間でさえ就業者数は着実に伸びていた。問題は労働者が適切に高賃金労働へと転職出来なかったからです。これについて北欧各国はうまく対応している。米国共和党は何ら手を打たなかった。民主党は高度知識社会対応で高学歴化を促したが、効果は限定的でした。移民は、低技能職で多少低賃金化を招いたが、米国経済や高齢化に貢献しているのは確実です。一部の治安悪化は、差別による経済格差を放置していることの方が影響している。

 

野放しの自由は腐敗と独占を生み、国民にとって取返しの付かない悲惨な状況を招いた。

 

 

 二つ目は、これらの事実を隠すために様々な目くらましが行われた来た事にある。共和党と大企業(FOX等も)が長年流して来た「オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)」の洪水があり、トランプが完成させた。既得権益層(笑い)が、単純な陰謀論「ディープステート(闇の政府)」をでっちあげて国民を洗脳したが、それを信じてしまうほど社会は分断され、右翼ポピュリズムが勢力を持つようになっていた。トランプ現象は当然の帰結でした。このオルタナティブ・ファクトの歴史は、ニューディール政策を貶める事に始まり、フロンガスやタバコの害を無害と偽り、気候変動は起きていないと言い募る事に象徴されている。さらに、21世紀以降、インターネットとSNSが加わり、フェイクや怒りに煽情されやすくなってしまい、選挙が操られるようになった。加えて最高裁が保守派に牛耳られた事で、金権選挙がまかり通るようになり、益々既得権益層に有利になってしまった。

 

こうして米国民は真実が見えなくなってしまい、操られるようになった。

 

 

 三つ目は、キリスト教原理主義(復古・懐古主義)、これは米国特有です。ヨーロッパのキリスト教は世俗化が進んでいるのですが、米国のこの教派は、西部開拓の名残で、信仰は回心(理性を失うほどの情熱)が重視されており、幾度も熱情に駆られ米国社会を揺り動かして来た。これに火が着いたのは、大戦後の赤狩り(共産主義)に象徴されるように、非白人移民の大量流入とリベラルな人権運動への危機感からでした。彼らの異常なまでの恐怖感と敵意は、多くの海外侵攻を後押しして来ました。また米国には裕福なユダヤ人が多い事から、イスラエル支援に繋がるハルマゲドン信仰も勢いを得たのでしょう。

 

 共和党は、この教派を選挙に取り込んだ事で勢力を拡大し、かつ彼らの政策が科学的・論理的な帰結である必要がなくなり、自由度が増した。実は、この手口は、多くの疲弊した国で行われ、権力奪還を目指す既得権益層が、原理主義的な教派を取り込むことで成功している. サウジアラビアのイスラム原理主義、プーチンのロシア正教、イスラエル、イランやインドでも見られます。この同盟は権力者と教派には利益が多いのですが、間違いなく国民にとっては悲劇になります。この宗教問題は、今後も深刻な問題を起こすことになるでしょう。

 

宗教は、地域と人々に安らぎをもたらすが、往々にして人々を盲目にする。

 

 

 

放置すれば最大の危機、どう対峙すべきか   第4と5章の要約

 

 米国民が、この中間選挙で政治を正常に戻すことが出来なければ、今後、非暴力で二度と再起は出来ないでしょう。是非とも、米国の良心を世界に示していただきたい。これに成功しなければ、プーチン、トランプ、イスラエル、中国、北朝鮮が、世界を戦火のるつぼに投じる可能性が現実味を帯びる。さらに幾多の重大危機を止める事が不可能になってしまう。

 

 どうか良識ある米国民は、科学と真実を尊重し、不道徳極まりない人物を廃して、かつて希望があり成功した自由民主主義社会を取り戻してください。米国の若い人は、現在、苦しい状況が続いており、世界の為とか独裁阻止よりも、日々の糧の方が先かもしれないが、トランプでは、絶対に悪化するだけです。理由は明らかです。彼の大言壮語・虚言、非科学的・非論理的、政策を理解しない、エゴ・独善的、どれをとっても、これからの困難な時代に彼が不適任であることは明白です。

 

 ヒトラーは演説で国民を魅了したが、所詮、一介の画生・兵卒であり、政策は素人でした。初期には周辺に逸材がいて、上手くやれたのですが、後に彼らはヒトラーによって粛清された。トランプのビジネスキャリヤは、倒産の連続で、スラップ訴訟多用で、何とかやってこれたところがある。信じるに値しない人物は避けるべきです。

 


 

 

最後に

 米国が立ち直ることは容易ではないが、世界と歴史を見れば、けっして不可能ではない。残念ながら日本の中枢を担う官僚が内向きなので、このような危機に即して役に立たない。申し訳ありません。しかし社会制度は北欧の福祉国家が参考になるので希望はあります。

 

 

 

ながらく拝読して頂きありがとうございました。