Tuesday, May 20, 2014

人類の歩みと憲法 11: 戦争を終わらせる人


< 1. 原爆 >

前回は、戦争が始まる経緯を見ました。
今回は、戦争を終わらせる人を見ます。

今次大戦後のベルリン

< 2. 今次大戦後のベルリン >

戦争を始める人、終わらせる人
国益を守る為と称して戦争準備や戦端を開く指導者はいます。
一方、当然のことですが、その戦争を終わらせる人が必ずいます。
多くは、始まりは簡単で、巷の銃声一発が切っ掛けと言うこともあります。
しかし、終わらせるには途方もない苦労と優れた人物が必要になります。
不思議なことに知名度が高いのは、前者なのです。

珍宝島事件

< 3. 珍宝島事件 >

今世紀の事件を振り返ります
例1.1969年、突如、中ソ国境の珍宝島を巡り、両国が軍事衝突を始めた。あわや核戦争かと思われた。

例2.1976年、南アフリカでアパルトヘイト反対の暴動が起こり、その後テロ活動が続き、深刻の度合いは増した。白人による深刻な黒人差別が背景にあったので、解決は不可能と思われた。

北アイルランド紛争

< 4. 北アイルランド紛争 >

例3.1960年代、北アイルランドのIRAはイギリスへのテロ攻撃を強め、世界はその悲惨さに驚愕するばかりだった。原因はキリスト教両派と領地支配が結びついた根深い対立にありました。

例4.1920年前後、インドは長いイギリス支配からの独立を目指し、流血事件が起き、一触即発状態でした。


反アパルトヘイトのデモ

< 5. 反アパルトヘイトのデモ >

この深刻な紛争やテロ活動はなぜ終息に向かったのか
例1は、ちっぽけな中洲を巡った戦闘でしたが、この始まりは権力者が軍部の力を誇示するのが目的でした。結局、中ソ首脳が不問に付す形で歩み寄り停戦した。

例2は、善意の一事業家が私財を投げ打ち駆け回り、テログループと南ア政府、交戦状態の隣国らを話し合いのテーブルに着け、政権の委譲が進んだ。彼の行動を例えるなら、復讐の連鎖を断ち切る信頼の斧と言えるものでした。世界が共同した経済封鎖も重要でした。

例3は、和解の始まりは英国首相が北アイルランドの自治を認め、敵対していたカトリックとプロテスタントが手を握りあえたことです。その二人の立役者がノーベル平和賞を受けています。

例4は、「塩の行進」不服従運動で有名なガンディーが武力を使わずに独立を勝ち取った。これは世界でも希な、強大な軍隊を前にして丸腰で挑んで成功した事例です。

ガンディーが先頭を行く塩の行進 

< 6. ガンディーが先頭を行く塩の行進  >


これらはすべて武器を使わずに戦いを終わらせた素晴らしく人類らしい快挙でした。
一方、多くの指導者は負けを嫌い、有利に終戦交渉を進める為に、最後まで戦場の挽回を命じ、武力の優位を示そうとしました。
それは人命の浪費であり、無駄なあがきでもありました。

それにしても、なぜもっと早く、出来るなら最初からと言う想いが沸き起こります。







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