Wednesday, March 14, 2018

何か変ですよ! 96: どちらが大事か?





*1


前回、国政の恐ろしい腐敗を確認しました。
しかし内閣、与党、御用新聞、ウヨは無視と言っている。
どちらを信じれば良いのでしょうか?



*2


* 事件矮小化の果てに

前回見たように、主要官庁は軒並み腐敗していました。
今の状況が放置されれば、国民は正しい情報を知らされず、内閣によって政治が私物化されても手の付けようがなくなる。

国民が苦しむ悪政を国が流す嘘の情報で正当化し、さらに御用新聞が世論を誘導し、政権は選挙で連戦連勝を続けることになる。
これはかつてのファシストの策でした。

アベ政権存続を望む人々は今回の事件をどう扱っているのでしょうか。
概ね、彼らは事件を矮小化し、アベ首相の代役はいないとしています。


矮小化の極地は、佐川前長官一人の思いつきでアベ首相への忖度すらないと言う。
これは論外です。
それでは佐川らが忖度し財務省だけで犯罪に走ったとしましょう。
この場合、佐川らの処分だけで表面的な腐敗防止で終わる。

忖度自体は文化であり、罪に問えるのは犯罪行為(虚偽発言と公文書改ざん)だけです。
まして忖度された側(アベ首相)を罰することは出来ません。

ここで考慮しなければならないことがあります。
日本では、忖度が組織の上層で常態化しているのは自明で、さらに忖度せざるを得ないシステムが存在します。

それは日本流の必勝必罰があるからです。
部下は忖度することで上司の面目がたてば昇進に浴し、忖度せず無視することで上司の面目が無くなれば左遷や昇進の道は閉ざされます(不当労働行為)。
実際、加計や森友問題で内閣の面子を保った人物は昇進栄転し、損なった人物は左遷されています。

この結果、「君、たのむよ」だけで、部下は露見しないことを願いながら犯罪に手を染めることもある(日本の組織を守る文化)。
後に露見すると、犯罪に手を染めた人物は組織の目と良心との板挟みで、自殺に追い込まれることもある。

このような状況で、上層部(首相など)が自分に都合の良い嘘を公言してしまえば、部下はどうするでしょうか。
今回のように財務省は完全対応(改ざん)を行い、厚労省は完全ではなかった(後に露見させた)。
上層部は虚偽の可能性を感じながらも、むしろ事実を確認せず公言することで、望みの結果が得られ、たとえ後にバレても過失で済むのです。

一度、諸官庁が嘘をカバーするようになると、内閣は何も確認せず、先ず嘘と否定で乗り切るようになります。
これが今の現状でしょう。

このような場合、腐敗の放置を単なる過失と言えるでしょうか、管理責任が問われるのは当然です。

一方、内閣からの指示の証拠が無い限り法で内閣を罰することは出来ません。
(もし取り締まる法(厳格な文書管理規定)や第三者期間や労働組合による監視システムが整備されていれば防げる)
また、既に述べた不正行為の忖度に対して報酬や報復人事を行った証拠を掴むのは甚だ困難なので、この摘発もさらに難しい。

こうして内閣と官僚はバレるはずがないと高をくくって今まで押し通して来た。
これはあまりにも国民を愚弄している。
今、続々と明らかになる官庁で起きている事件や日本の組織文化に照らせば、森友事件の矮小化が間違っていることは明白です。

これを断ち切らないと内閣と官庁の健全化は不可能です。




*3


* アベ首相の代役について 

一番重要なのはウヨが唱える、アベ首相の代わりがいないと言う論です。

アベ首相の人気が無くなれば与党自民党は彼と心中する気はさらさらないので、頃合いを見て彼をあっさり切るでしょうが。


ウヨがアベ首相に抱いているイメージを挙げます。

A: 敵国?に強面。
B: 強引な経済の舵取り。
C: 右翼的な憲法改正。

これらが日本の将来を大きく損なうことは別に詳しく語っています。

ここでは簡単に要点を見ておきます。

Aは、今回の米朝会談の急転回に見られるように、当分、強面だけの外交は不必要になった。

Bは、確かに歴代の首相で、これだけの金融政策の大転換をやった人物はいなかったし、今後も出ないかもしれない。

だからと言って素晴らしいと言うわけではない。
どちらかと言うと、経済を知らず、怖い物の知らずの度胸だけかもしれない。
理論的にも怪しく実績の無い政策をここまでやってしまうと、後に何が起きるか予測がつかない(おそらく数年以内に悲惨なことになる)。


Cは、これは彼の辣腕ぶりを示す最大のものでしょう。

自分が右翼団体のトップに名を連ね、大半の国民が考えもしていなかった憲法改正へと機運を盛り上げたのですから。
御用新聞を最大限(露骨)に使い、緊張を巧みに醸成し盛り上げる手腕はヒトラーに負けるとも劣らない。

確かに、上記の点でアベ首相に代わるものはいないが、従来の経済・外交を継承する分には自民党に幾らでもいる。
ただ凋落をゆっくり進めるだけだろうが、アベ政権のように急速な没落や戦火に見舞われる危険性は減るでしょう。





< 4. 幾らでも繰り返す** >


* どの選択がより危険が少ないか

10年ぐらいのスパンで三つのシナリオを考えます。

A: このままアベ首相が続投する場合。
三つの危険が増すでしょう。

政治腐敗がさらに進み、二度と正常に戻らず、破局まで突き進む。

バブル崩壊かハイパーインフレで経済的な破局化を迎えるか、衰退を早める。

周辺諸国との緊張を高め、また米国の戦争に巻き込まれるなりして、戦火はより早く訪れる(特にトランプで)。



B: アベ首相が辞め、自民党の誰かが政権を継ぐ場合。
少しましですが、良策ではない。

おそらく、一度腐敗への歯止めが論じられ、腐敗防止が進むでしょうが、便宜供与の悪習は直ぐ復活するから、結局元の木阿弥になる。
経済と外交政策は、今よりは穏健な路線に舵を切るだろうが、結局は米国の「夕暮れ社会」(注釈1)に突き進むだけです。



C: 解散になり連立野党が政権を掌握した場合。
日本を再生するチャンスではあるが不安もある。

おそらく、腐敗防止はかなり進むでしょう。

しかし、経済と外交政策には不安がつきまとう。
現状では、米国の自由放任主義から脱して次に向かう経済モデルが見えていない。
北欧の社会保障充実がお薦めですが。

外交面で米国追従から脱するのは良いが先が見えない。
近隣重視外交と自衛隊保持の中立政策、世界平和貢献が最良ですが。

野党が不安な大きな理由は、米国が日本の離脱に対して徹底的に妨害することです。
経済や軍事に始まり、CIAによる個人攻撃などが熾烈を極めるでしょう。
また米国と政財界の癒着が進んでいるので、足元からもすくわれるでしょう。


刷新の政策を自民党に期待できないが、さりとて今の野党で主導出来るかは未知数です。

さらに心しなければならないのは、アベ内閣が進めた経済政策のつけが、このバブル崩壊で一気に襲いかかることです。
これを乗り切れる優秀な政策通と国政での団結が最も必要になるかもしれない。
バブル崩壊は既に始まっており、過去最大のものとなる可能性が高い。




*5

* 最後に

一番、皆さんに望むことは、国のトップには最低限度の人徳を有した人物を選んで欲しいと言うことです。

トップにタカ派や辣腕、パフォーマンスだけを求めるのは危険です。
下卑た振る舞いを行う人物が信用できないことは誰も知っているはずです。
今回の腐敗に見られるように、水面下で何が起きていようと笑っていられる人物は凄いのではなく危険なのです。

ヒトラーがそうでした。
ヒトラーは初期に経済復活を成し遂げ、さらに見かけのパフォーマンスで人気を博したが、心中は恐ろしく常軌を逸していた。
トップは人徳がすべてとは言わないが、トランプもいつか米国と世界に災いをもたらすでしょう。

今、日本だけでなく多くの先進国で危険な人物(人徳の欠けた)が選ばれる傾向が強いのです。
少なくとも20年ほど前までは、朝日の昇る日本だったのです。

もう一度、誇れる幸福な日本を取り戻そうではありませんか?


終わります。



注釈1 夕暮れ社会
90%の国民の所得低下が進む一方で、超富裕層が国の富みを牛耳る超格差社会。










Tuesday, March 13, 2018

何か変ですよ! 95: 今、何かが崩れようとしている


 
< 1. 野党による財務省での聞き取り調査 >


今、日本の中枢で起きていることを透視します。
何が国民にとって最重要課題なのでしょうか?
つまらない中傷と致命傷を仕分けします。



 
< 2. 縁故主義の疑念でアベ政権の未来は、by The Guardian >


* はじめに

ようやく、森友文書改ざんが世間に知られるようになりました。
ここ数日の間に、沈黙を守っていた多くのマスコミも追及を始めました。
さらに御用新聞(注釈1)も論点をすり替えてはいるが報道を始めました。

私が良識ある皆さんに願うのは、事件の深層を見抜き、そこに解決すべき問題に気付いて欲しいのです。

これから細かいことは省き、今回の事件のエッセンスだけを語ります。



* 森友文書改ざんについて

事実としては、「国会での森友問題への追及をかわす為に、提出すべき財務省の決裁文書が改ざんされた」ことだけです。

平たく言えば、見えている事実はこれだけです。
予定通り、現在、財務省は一部の人間による犯行だと説明している。

「これがそんなに深刻な問題とは思えない」が多くの人の実感ではないでしょうか。

ここで「これは問題ではない」との一連の発言をみましょう。
そこから真実が浮かび上がって来ます。

* こんな便宜供与は日常茶飯事であり、首相の妻に限った事ではない。これを騒ぎ立てる野党には不純な動機がある(維新の足立議員)。

* これは、人が死ななければならないような問題ではない。つまり些細な問題(学者の三浦瑠麗)。

これら矮小化を意図する発言として
* これを政争の具に使う野党の手口には乗るな。
* これは財務省だけの問題に過ぎない。
* これは単なる修正に過ぎない。
* 朝日新聞は明確な証拠を示さず、疑惑だけ報じて国会を混乱させた責任は重い(数日前までの論調)。


これらの報道しか触れない人々にとって、確かに事件は些細な事に映るだろう。


 
< 3.居並ぶ天真爛漫な笑顔が素敵です! >



* 問題のとっかかり

例えば、朝日新聞の今年3月2日からの報道が国会を混乱させたと、多くの識者やマスコミが批難しました(もっとも側用人か御用マスコミかも)。

しかし、よくよく考えて見れば、この混乱は1年前に始まっていました。

政府や官僚が如何に追及されようとも、知らぬ存ぜぬの一点張りで完全否定、資料は破棄したと断言し、証人喚問は不要だとして来た。
今回、明らかになった虚偽行為を必死に隠し通して来た。

もし、本当に国会を混乱をさせたくないのであれば、管理責任のある政府がまともな調査を一度でも行っていれば、事件は1ヶ月以内で解決したことでしょう。

つまり内閣は、疑惑の否定を主導し解明を妨げて来た。

これは国会の議事進行などで明らかです。
一例を挙げておきます。
「関係省庁の幹部がモリカケ問題の答弁で細かい手続きを説明すると、途中で“もっとはっきり否定せよ”といったメモが入る。そこには“PMの指示”と書かれていて、総理からダメ出しされているという意味だ。メモがくれば幹部は飛び上がって指示通りに答弁する」(PMはプライムミニスターの略、今年2月20日のYAHOOニュースより。

つまり、関係省庁を政争の具に使って、国会の混乱に拍車をかけたのはアベ首相なのです。



 
< 4. 間抜けな攻防 >


* 深い問題とは何か

上記のことは、それこそ表面的なものです。

ポイントになる事実を少し挙げます。

* 会計検査院は森友問題で既に「2種類の文書に気付いていた」が問題としなかった。

* 改ざん前の決裁文書には、きめ細かく経緯が書かれ、名だたる政治家と首相の縁故関係が明記されていた。
改ざん後、アベ首相の妻、首相が副会長を務め閣僚の8割を占める日本会議(右翼団体)、その一翼を担う森友学園の関係が消されていた。

* 大臣が「既に無くなっていた」と言明した資料が厚労省地下から32箱の段ボールで見つかった。
同様な事件は防衛省の日報など、頻発している。

* 現在、マスコミや野党が追及し内閣が否定し続ける問題は、他に幾らもある。
それらはすべてアベ首相の縁故者か側近が関わったものです。


これで問題が明瞭になって来ました。

* トップの縁故者や自民党政治屋による便宜供与は日常茶飯事であり、官僚は証拠としてそれを記録している。

* 会計検査院や厚労省などの対応から、官庁全体に腐敗(隠蔽、虚偽発言)が蔓延し、大臣主導が明確な事案も多いことがわかる(最低でも大臣は加担している)。

つまり、今の政権と官庁は腐敗まみれと言えます。



 

< 5. 国会、抱腹絶倒!!「おらおら、うるさい!」「痛い!」 >


* 実はこれだけでは済まない問題

この腐敗がなぜここまで深刻になったかが問題です。

三つのことが言えます。

A: 2014年5月発足の「内閣人事局」。
B: 長期与党による官庁による便宜許与の悪習。
C: 首相の絶大な人気に群がる人々、それを首相が利用することから生まれる強力な縁故主義。

Aは、民主党政権時に掲げた政権主導が発端だが、アベ政権はこれを恣意的な官僚支配に改悪した(独裁)。

Bは、これは長年の自民党の体質であり、今までも癒着の暴露が繰り返されて来たが、政権が安定するとまた悪質さが露骨になった。

Cは、これは上記二つが土台になっているが、政権やトップに絶大な人気があると今回のように暴走してしまう。

これは悲しい日本の政治文化なのですが、倫理観に乏しいトップ(責任をとらない)であっても人気があれば何でもオーライなのです。
しかし人気が無くなれば同じ行いでも批難され、派閥の力学で責任を取らされるのです。
この時、辞任する人は如何にも自らを恥じた振りをするのです。
人気があれば絶対認めないし、黒を白と平気で言い募ります。

巧みな政治屋はそれが分かっているので、中身を別にして人気取りのパフォーマンスに励むのです。

これでもまだ皆さんは、まだ内閣や官庁が腐敗していようが、大した問題ではないと考えているかもしれません。



 
< 6.とある国の民意 >


次回、この腐敗にどう対処すれば良いかを考えます。




注釈1 御用新聞
最近の報道姿勢から私が御用新聞とみなすもの。
産経新聞、夕刊フジ、読売新聞などが代表格でしょう(他もありますが)。

これらのニュースを見る場合、一応疑って下さい。
何が何でも事件を矮小化し政権維持を計り、またこれまでの報道姿勢の正当化に躍起です。
是非とも他紙と比較してください、親近感を持っている人には耐えがたいことでしょうが。
電子版のサイトで簡単に比較出来ます。







Monday, March 12, 2018

平成イソップ物語 18: 猫とネズミ







*1


昔々、ある川の傍に野ネズミがたくさん暮らしていました。
この川がしばしばが氾濫するので、皆困っていました。
そこに一匹の猫がやって来ました。



 
*2


猫    「 皆さん、困っているなら私が助けましょうか 」

ネズミ達 「 どうするのですか 」

猫    「 私が堤を作ってあげましょう 」

ネズミ達 「 お願いします 」

猫    「 それでは皆さん、土と石を集めて下さい 」
     「 必ず皆さんは私の指示に従って下さい。違反は許しません 」
     


一月ほど経つと、かなりダムが出来てきました。



白ネズミ 「 猫さん、隅の小さな穴から少し水が漏れています 」

猫    「 秘密にして下さい。皆完成に向けて頑張っているのでね 」



 
*3


さらに一月が過ぎました。

ネズミ達 「 猫さんのおかげで素晴らしい堤が出来ました。ありがとう。 」

猫    「 喜んで頂ければ本望です 」

白ネズミ 「 猫さん、隣山で聞いたのですが、あなたが作った堤が決壊し、多くのネズミが死んだそうですね 」


猫    「 それは想定外の洪水と彼らのずさんな工事のせいでした。 」

白ネズミ 「 隣山のネズミが、工事中に問題を指摘していたそうですね 」


その夜、猫はこっそりと逃げ出しました。


ネズミ達は皆で相談し決断しました。

「 皆、雨が降る前にこの地を捨てて他に移り住もう 」


やがて雨が降ると堤は決壊しましたが、ネズミ達は助かりました。










Sunday, March 11, 2018

何か変ですよ! 94: 今、国民が問われていること


 *1


ついに懸念していた森友問題で役人が犠牲になった。
いつものように命じた上層部は安穏としている。

これを看過すれば失われた命、彼の無念が無駄になる。
国民は、憂うべき事態を真摯に受け止めるべきだ。



 
< 2. 何が起きているのか >

* 何が問われているのか

与党は政権を死守し、野党は政権転覆に必死だ!
しかし、最も重要なことは今の政治を国民が正しく見極め、良識を持って是非の判断を下すことです。

この機を逃せば、二度と国民の望む政治への刷新は不可能になるでしょう。
なぜなら、政権主導で国民の権利が軽んじられ、全体主義(情報隠蔽、恣意的な行政、言論統制など)に大きく舵を切っているからです。

この状況が進んでしまえば、政治は一部の人々に握られ、多くの国民は蚊帳の外に置かれることになる。



* 憂うべき事態

ここ数年の社会経済の悪化を概観します。





< 3.国民の資産がバブル崩壊で・・・>




4.バブルが崩壊すれば経済はさらなる・・・ >


長期与党の政策により悪化と困窮が進行している

* 経済悪化: 賃金低下、非正規拡大、円安・・・
* 生活困窮: 格差拡大、貧困率の増大、エンゲル係数上昇・・・
* 将来不安: 進みつつある年金、福祉のカット。
* 財政破綻: 迫る累積赤字増大によるデフォルト。

現政権によって急速に悪化したもの

* 失われた報道の自由: 放送局への圧力、御用新聞以外への威嚇・・・
* 軍事優先で先鋭化: 対立を扇情、米国との軍事同盟強化、軍事大国化・・・
* 行政の腐敗: 露骨な便宜供与、審議拒否(否定・隠蔽・拒否・改ざんなど)・・・ 
* 政治家の劣化: 強行、腐敗、私物化(縁故者の優遇・免責)、傲慢・・・
* バブル崩壊: 日銀と年金基金による株式運用の巨大損失、金融危機後に来る長期停滞と高失業率・・・
* 日銀の後始末: 国債500兆円の市場への放出による弊害、損失。




< 5.何が起きようとしているのか >


現政権の存続が招く最大の危機

* 民主主義の崩壊: 三権分立や議会制を破壊、批判勢力を抑圧・・・
* 前近代への回帰: 緊急事態条項や1世紀前の体制復帰をもくろむ憲法改正、人権や自由を軽視・・・ 

ここ数年の日本の悪化を数えればきりがない。



* 体制擁護派の弁護について

巷で言われるように現政権によって本当に社会と経済は良くなったのだろうか?
この件については既に説明して来ましたが、ここでは要点だけ触れます。

* 大多数の国民、労働者、社会保障の対象者にとって悪化の方が勝る。

* 経済(株価、GDP、企業利益、失業率)は良くなった。
これは幾多の要因が重なってのことだが現政権の役割も大きい。
しかしバブルが弾け、世界同時金融危機ともなれば、今回の政権と日銀政策が災いとなり、今までに無い巨大損失と長期景気後退を招くことになる。
下手をすれば100兆円を越える財政赤字の上乗せが起きるかもしれない。

* 敵対的で派手なパフォーマンスは、北朝鮮問題でも役に立つことはなかった。
今回の転機は中国の経済封鎖と中国と韓国の対話姿勢が生んだものです。
大盤振舞の海外援助も内実は資金や生産の海外移転で、大手が海外で儲けるだけです。

* 政権は現実的な政策を矢継ぎ早に行い、安定感があるように見える。
しかし内実は既存政策の焼き直しに過ぎず、緻密さや公平性に欠け、ほとんどが財界や富裕層優遇で早晩格差拡大が深刻化する。
原発推進が好例です。

よくよく注視すれば問題点が見てくるのですが、残念ながら有力な経済紙や御用マスコミの影響が目隠しになっている(そうでない経済紙「東洋経済」もある)。




*6


* 今回の事件が教えてくれること

森友問題は1年前に朝日新聞が報じ、政府と与党そして御用新聞の執拗な攻撃を受けながらも、やっと今日の解明にこぎ着けた。

政府と官庁の徹底した情報隠蔽、非協力(証人喚問)で解明は困難を極めた。

私も含め多くの国民は、一連の首相近辺で起こる下劣な事件に嫌悪感を持ってはいたが、野党の進まぬ解明と追及にもうんざりしていた。

だが、ついに二大新聞の良心と執念が突破口を開いた。
おそらくは、命を賭けた内部告発こそが最大の功労者だった。
出来ることなら死なずに名乗り出て白日の下に罪業を明らかにして欲しかった。
そして、彼は国民から讃えられながら家族共に末永く生きて欲しかった。

しかし、日本の組織文化(部下が責任を被り、内部告発者が虐げられる社会)にあってこれを望むことは無理だろう。
おそらくは、今回の朝日新聞の報道姿勢はこの内部告発者を守る為だったのでしょう。


今回の事件は、大きな教訓を示してくれた。

A: 日本には悪政を批判し、不正を暴くマスコミが不可欠です(御用新聞ではない)。

B: 政府や官庁の独走を牽制し、腐敗を未然に防ぐには野党が不可欠です。

これらを目障りとする体制側の抑圧が進み、もし本当にマスコミや野党が潰されていたらと考えると背筋が凍る。

今回の事件は、腐敗政治の危機を救った一撃として日本史に残るでしょう。


もう一つ、今後、野党が中心になって取り組むべきことがある。

C: 官僚と内閣の腐敗構造を断ち切る制度確立と、腐敗の再発を常時監視するオンブズマン制度が不可欠です。
おそらく、他の首相周辺の事件も同様に暴かれていき、国民はさらなる腐敗の広がりに驚くことになるだろう。

先ずは、この困難な解明を成し遂げた快挙に祝杯を!


* 良識ある国民は立ち上がって欲しい

このまま現政権が突き進むと、日本は早晩、戦火と破局を迎えるか、衰退と混乱を味わうことになっただろう。

この事件の解明が進んだことにより、想像を絶する暗黒面が浮き彫りになった。
首相の絶大な人気と官僚人事の掌握によって、中央官庁に腐敗と劣化が短期間に広範囲に及んでしまった。

首相の絶大な人気に、与党議員は完全に一色に染め上げられ、首相の常軌を逸した言動に異論を唱えるものはなくなり、おべっかが目立つようになった。
さらに御用新聞、放送局、記者、コメンテーター、学者の多くが政府による飴と鞭により、体制批判から擁護へと舵を切った。

このまま事件が暴露されることがなかったら、この全体主義に比肩できる悪化は留まることが無かっただろう。

巷では、公文書改ざんは単に書類の書き換えに過ぎないと指摘する声がある。
おそらく、手をこまねいていると尻尾切りによって一見落着となるだろう。
今の隠蔽体質と、自己責任など感じないトップの下ではその可能性が高い。
また現状ではトップに法的な責任を取らすことは困難だろう。

しかし、既に見たように今の状況を放置すれば日本の将来はない。

思い出して欲しい。
第二次世界大戦の切っ掛けとなったナチスの台頭は、いみじくも麻生大臣が指摘したように最も民主的な憲法下の議会で、国民の熱烈な支持によって始まったのです。
民主主義で平和な日本だから安心とは言えないのです。
少しでも気を許すと、独裁者ヒトラーを生んでしまうのです。

今はその危険が迫っており、社会はまさに激情化し沸騰しつつあるのです。
例えば、ツイッターでは扇情的で右翼的な暴言が、正論で穏やかな発言よりも100倍ほど拡散しています(維新の足立議員のツイートなどは超人気)。

国民が無関心を決め込んでいる間に、このような扇情され易い人々が政権を支え、政治が悪化していくのです。
ナチスが台頭する初期、過激な若者が「突撃隊」などに参加し、ヒトラーを支える力となった。

国民は良識を持って現政権続行に対して是非の判断を下して欲しい。
法で裁くことは出来なくても、世論や選挙でノーを突き付けることは出来る。



 
*7


* 大事な気付き

ここ数年で起きた、森友だけでなく一連のアベ友に関わった事件、首相の横柄で下卑た言動、官僚やマスコミの尻尾振り、ネットウヨの大合唱、世界の嫌われ大統領との親密な交友・・・。

これらはけっして首相の人気低下には繋がらなかった。
与党や御用新聞の援護もあるが、やはり首相の強権的な言動と目立つパフォーマンスが人気を博したからです。

翻って考えて欲しい。
多くの国民の安易な期待、無関心と傍観が、このトップの驕りを増長させ、怪物(独裁)を生んでしまったことです。
このことがやがて政治や社会をかつてのような地獄に追い込むことになるかもしれなかったのです。

この手の激情がドイツでヒトラー、日本で東条内閣を生み育てたのです。
これは一度加速すると、後戻りは出来ないことを歴史が示しています。
しかし、今なら間に合うでしょう。

冷静で客観的な対応こそが社会の悪化を留めるのです。


終わります。









Friday, March 9, 2018

デマ、偏見、盲点 30: 暮らしのカラクリ 4: 煽られた競争


*1


今日は、少し複雑な話になりますが、「競争」に纏わる話をします。
「競争」は賃金、規制緩和、経済力を理解するには避けて通れない概念です。
実は、私達の「競争」の概念は間違った方向に誘導されていた。


* はじめに

「競争」に纏わる文言を挙げます。

A: この世は逆肉強食だから弱者を甘やかすな!

B: 規制緩和は市場に自由競争をもたらし、価格低下とサービス向上をもたらす!

C: 賃上げは企業の国際競争力があって可能だ!


この三つは、社会に厳しい競争があることを強くイメージさせます。
この論理の罠に気付くことは難しい。
これは経済上の勝者(超富裕層)が、競争と勝者こそが善であると信じ込ませて来た結果です。

これとよく似た状況がかってありました。
Aの論理が、19世紀の帝国主義が苛烈な折、白人が有色人種を搾取しても良い口実に使われた。
当時、白人は自然淘汰(逆肉強食)の中で選ばれた人種であるとする思想が一大ブームを巻き起こしていた。
Aはこれと同じ陳腐なデマの再来なのですが、今また蔓延している。
これが間違っていることは、人類史、法制史を振り返れば一目瞭然なのですが、ここでは割愛します。


結論から言えば、私達が暮らす地球は市場での競争が前提で、競争を否定することは現実的でありません。

しかし、まちがった「競争」の概念が社会を劣化させ、社会改革を妨げています。
何が間違っているか見て行きます。




 
*2


* 自由競争の幻想

結論から言えば、現実に完全な自由競争が行われている市場はない。
この結果、自由競争が価格の低下やサービス向上をもたらすことはない。

現実には、一部の強者に非常に有利な市場が出来がっていたり、または何らかの制約が働き、完全な自由競争などないのです。
この制約には社会保障(人権擁護、環境保護など)の為に行政が規制や自主規制があります。
どちらにしても完全な自由競争市場は幻想に過ぎない。

既に競争優位にあるか、さらに市場の独占を画策する側からすれば「自由競争の善」を社会に浸透させることが不可欠です。

強者(市場占有)が生まれる理由は様々ですが、資本力、情報力、政治力などが大きい。
政治力の例としては、公共の為と称して特定の学園や企業だけに参入を許すことなどです(後進国で酷いが先進国、日本などでも起きている)。

資本力の大きい方が小さい方を圧倒することは常識と言えます。
企業の統廃合が繰り替えされ、やがて巨大企業が市場を占有することになる。
こうなれば価格は上昇し、サービスが低下するのが通例です(マイクロソフト)。

また各国は国際競争に対処するとして独占禁止に逆行する大銀行の合弁を押し進めている。
この巨大銀行は金融危機時、国が倒産から保護してくれるので、益々バブルの温床になり易い(ゴールドマンサックス)。

情報力や知的財産権(特許)なども同様に大が小を圧倒することになる。

この独占が進むイメージは、水面にビー玉を乗せた皿を浮かべると、少しの波でビー玉が一度片方に寄ってしまうと、皿が傾き一気に沈没するのと似ています。



 
< 3. 生産性は上昇しているが賃金は低下、厚生省より >

坊主丸儲け状態(住職を批判しているのではなく、**が濡れ手で粟)


* 言い訳の国際競争力

産業や企業の国際競争力は必要です。
賃金はその一要素に過ぎないが、日本ではこれだけが政財界によって強弁されている。
ここでは全体像を掴み、私達に何が真に必要かを考えます。

残念ながら、日本の国際競争力は低下の一途です。
これは、ここ20年ほどのあらゆる経済指標(GDP、賃金、貿易額など)の低下に現れている。
この本質を如実に示しているのが賃下げ(労働者酷使)と円安でしか国際競争力を回復する手立てがないとする政財界の姿勢です。
このような過去への回帰、保守化傾向はかつての英国衰退の二の舞です。

問題は真の国際競争力を高める努力を放棄していることです。


 
< 4. 日本の国際競争力の低下、総務省より >


* 日本の国際競争力の現状

世界の開放経済において、自国の競争力のある製品が海外市場で売り上げを伸ばし、自国に外貨をもたらし、一方で海外の優れた製品をその外貨で購入することが出来る。
この場面で国際競争力が不可決で、日々、企業は世界と国内で競争を続けなければならない。

それでは企業は何を競争すべきなのでしょうか?
これはコストダウンだけではなく、様々な要素があります。

先ず、コスト低減について見ます。
日本では労働者の賃金低下が餌食になっています。

しかし常識的には生産性向上です。
これは時間当たりや一人当たりの生産額を増やすことで、一般には最新鋭の生産設備導入や革新的な生産方法の導入が不可決です。

現在、日本の企業は国内の設備投資を長期的に減少させていますので、この手のアップは期待出来ません。
不思議なことに、日本の首相は外遊で世界に50兆円を越える大盤振る舞いを行い、国民も国際貢献を喜んでいます(真の狙いは海外投資拡大)。
一方、日本の民間設備投資はつい最近まで年60兆円台でした。
このあり余った50兆円を国内に投資すれば、どれだけ競争力向上に寄与し、経済が復活したことでしょうか?

つまり、政財界は企業の競争力向上の自助努力を放棄し、労働者の賃金低下に頼っているのです。
このことは別の深刻な生産低下を招いています。

皆さん、周辺の職場を見て下さい。
民間企業には非正規が溢れ、公的な機関には民営化と称してアルバイトやボランティアが溢れています。
これが職場に何をもたらしたでしょうか。

かつて日本には米国由来の産業心理学が言う、作業者の参加意欲を高めることで生産性が上昇するとみなされた時代があった。
今は、隠れブラックこそが・・・、時代は変わった。

この状況でも懸命に働く人はいるでしょうが全体的に見れば、給与格差が甚だしく、地位が不安定な状況で、意欲を持って働けと言うのは無理がある。
つまり政財界の政策は、間違いなく生産性低下に大きく寄与しているのです。
既に説明しているように、賃金上昇は可能なのですから、逆行を止めるべきです。
(この連載「暮らしのカラクリ 1と2」で説明済み)

日本の貿易にも、この逆行が現われています。
それは貿易(商品の輸出)が減少し、海外投資(資金流出)の増大、そして海外からの投資収益とパテント料収入の増大です。
このことを経済の成熟とみなすエコノミストもいるのですが、歴史的に見れば衰退の兆候です。


奇妙な事に政治家や右翼は国益重視と言うわりに、資産家や企業の国益無視には寛大なのです。
言い方が悪いのですが、海外に工場を作り海外証券に投資し国内投資を怠るから、またパテント料を得るために特許を海外譲渡するから、国内の競争力が弱体化する側面があります。

画期的な新製品が世界でヒットすれば、これも国際競争力のアップとなりますが、この手の商品はもはや日本では誕生しなくなった(ウォークマンとスマホ)。

実に、日本の政財界は国際競争力について周回遅れの認識なのです。



* 日本が進む道は・・・

残念ながら、私の見込みでは日本は徐々に国際競争力を低下させるか、今回の政権のように起死回生と称して経済と財政を破局へと追い込んでしまうでしょう。

しかし、救いがないわけではない。
ここでは、北欧の事例を挙げます。

私は、30年ほど前、デンマークとスゥエーデンの企業を視察して感銘を受けました。

企業について
* 数百名の企業規模で高度技術を売りにした単一商品を世界展開していた。
* 生産は下請けに頼らず自社生産、生産作業は労働者の心身に負荷を与えず意欲を重視していた。

ライフスタイルについて
* 残業はせず、休日を充分とり、人生や趣味を謳歌している。
* 日本の男性だけに見られる赤ちょうちんの楽しみはなく、余暇は家族で楽しむ。

この状況は今も変わらないようです。
(私は6月に確認に行くつもりです)


北欧には国際競争力を高める政策があります。

国と企業、国民も科学技術と教育を重視し、競争力を重視する。
北欧の経営者に技術者が多い。

企業と労働者が敵対的ではなく、協力して競争力向上と賃金上昇、社会保障を確保している。
また国民が政府を信頼しているので、個人番号制は定着している。

職種別賃金が定着しているので、これを支払えない企業は撤退していく。

労働者が産業や企業の再編に適応出来るように、失業時の補償と転職の為の教育制度が確立している。
当然、キャリアを生かして転職であれば、同一賃金が得られる。

これらが大きな要素です。
明らかに日本にはないシステムです。

残念ながら、このシステムを日本に導入することは簡単ではないと思います。
それはあまりにも文化と政治風土が違い過ぎるからです。

しかし、とりあえず目標はあるわけですから、不可能ではない。


終わります。