Thursday, February 12, 2026

取り戻せ豊かな暮らし! 危機に陥る前に 全体要約と全文PDF

 


 アメリカでは、レーガン政権以降の新自由主義(小さな政府・自由競争・金融中心)が社会と経済を長期的に蝕み、格差拡大・産業空洞化・福祉削減・移民問題・財政悪化・金融危機の連鎖を招いた。その結果、国民の不満が蓄積し、ポピュリズムと分断が進み、「強い指導者」を求める風潮が生まれた。これは真因から目をそらし、スケープゴートを探す構図であり、ナチズム台頭前夜に似ている。

 

 この背景には、20世紀前半に労働者が獲得した権利と福祉国家の進展に対し、富裕層・保守層が1970年代の危機を契機に反撃し、新自由主義を押し進めた歴史的経緯がある。

日本は新自由主義の弊害に加え、明治以来の官僚制・軍国制の遺産と占領政策の影響で民主主義が根付かず、労働運動が未成熟なまま終わったことが重なり、先進国で唯一、国力が長期低下した。

一方、北欧諸国は新自由主義を脱し、福祉と資本主義を両立させて国民の幸福度を高めている。

現在の米日両国の衰退は、20年前に経済学者が予測した通りであるにもかかわらず、多くの人々は真因を知らされず、政治家は既得権益を守るため表面的な対策しか提示していない。賃金抑制政策が続いた結果、デフレは「賃金を上げなかったことの帰結」にすぎない。

 

 米国でポピュリズム政権が誕生したが、これは序章に過ぎず、強権化が進めば世界最大の独裁国家が生まれ、国際秩序が大きく揺らぐ危険がある。トランプの行動は権力の私物化を示し、共和党や支持者がそれを望んでいる点がより深刻である。歴史的に、社会が混乱すると人々は独裁者に救いを求めるが、独裁者は大言壮語で不満を吸収し、悪行を重ねながら権力を掌握し、最終的には国家ごと破滅へ向かう。ヒトラーとトランプの類似性はその典型である。

 

 近年は世界的に右翼ポピュリズムが台頭し、トルコ、ハンガリー、日本など議会制でも半独裁化が進む。腐敗し情報が隠される社会ほど独裁化は容易で、逆に独裁から民主化するのは極めて難しい。プーチンは短期間でロシアを掌握し、周辺国への侵攻で支持を高めた点でヒトラーと同様であり、ウクライナ戦争の行方にも影を落とす。さらにトランプとプーチンの関係が深い可能性は国際的危機を一層高める。

日本は三つの独裁国家と接し、戦争が起これば最前線となる危険がある。中国・北朝鮮・ロシアの結束を避け、中国を孤立させる外交が重要である。歴史を見れば、指導者の独断と国民の思い込みが国家を破滅へ導く例は多く、同じ過ちを繰り返さない視野の広さが求められる。

 

 世界の危機を脱するには、まず人々が洗脳状態から抜け出し、意識改革を進める必要がある。過去1世紀の民主化成功例では、市民の強い改革意識と指導者の存在、さらに国際的支援が不可欠だった。しかし現在の多くの国では、保守層と富裕層が政治・報道・SNSを支配し、貧困層は疲弊して立ち上がる力を失っている。改革の模範は北欧であり、企業と労働者の協働、充実した公共サービス、健全財政、高い幸福度を実現している。だが日米英はまず民主主義の立て直しが必要である。

 

 一方、右翼ポピュリズムや極端な自由主義は独裁化や戦争を招き、労働者の待遇を悪化させる。自由民主主義と適切な規制を伴うグローバル化こそが持続的発展に不可欠である。産業空洞化も政策の誤りが原因であり、本来は労働者のスキル転換支援が必要だった。北欧はこれを実行し成功した。グローバル化は途上国の発展や公衆衛生向上にも寄与しており、資源・環境・紛争の抑制には国際協調が不可欠である。

人類の進歩は改革の積み重ねであり、男女平等の歴史もその一例である。未来予測は難しいが、新自由主義の弊害を早期に警告した研究も存在する。アセモグルは技術革新の放任が不平等を拡大すると指摘し、ニューディールのような是正策の重要性を説いている。

 

 我々国民は、先ず民主主義を取り戻すことから始めなければならない。

 

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