Monday, July 8, 2019

平成の哀しみ 79: 改革を妨げるもの 14: 欲望の経済政策 6



< 1. FOXニュース >


自由放任主義と金融重視は亡国の末期症状


最悪の病状は繰り返すバブルと所得格差の拡大でしたが、むしろ癌化の進行こそが恐ろしい。

米国を例に挙げます。

大統領選挙では数千億円が動き、候補者側の資金の多寡がテレビのネガティヴキャンペーンなどの宣伝を左右する。

バノンとFOXニュースはトランプ大統領誕生の立役者です。
バノンのニュースサイトは保守の資産家に支えられている。
FOXは、ニュースを娯楽化した保守のメディア王が所有。
また共和党の躍進を担うティーパーティー運動も保守の資産家の資金が不可欠です。

つまり選挙と政治は資産家の意向が左右する。

当然、資産家は現状の経済政策を断固維持する。
この理由は下記グラフから一目瞭然です。




< 2. 米国資産家の所得増加と株価の推移、対数目盛 >

80年代以降、株価(金融商品)の上昇と共に資産家は急激に資産を増やしている。

しかしもっと恐ろしいのは、この状況が癌細胞の増殖と同じだからです。




< 3. 世界を支配する超富豪家達 >
https://www.newscientist.com/article/mg21228354-500-revealed-the-capitalist-network-that-runs-the-world/#bx283545B1
金融機関147社が世界の多国籍企業43000社の富の40%を支配している、2011年時点で。


企業統合や資本集中が進み、少数の資本家が共同で世界中の大半の企業を所有するようになった。
独占が進み、国だけでなく世界経済、さらに政治すら動かように成って来ている。
ホワイトハウスの財務金融のポストは金融会社ゴールドマン・サックス出身者が多い。

米国経済は成長しているが、実体は1%の超資産家の所得が増えるだけで、ここ40年間ほど90%の国民の所得は横ばいに過ぎない。

こうして米国民は政治経済を牛耳るエスタブリッシュメントに失望した。
そこでトランプが彼らを排除すると豪語し大統領になった。

しかしホワイトハウスの主要ポストはより怪しいエスタブリッシュメント(共和党と実業家)で占められた。

まさに民主主義が根元から蝕まれている。



次に続く


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