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Wednesday, April 15, 2020

世界が崩壊しない前に 17: コロナは我々日本の弱点を教えてくれた 2







*1


今回は、日米首脳に共通する問題を取り上げます。


* 「武漢ウイルス」発言 *

両首脳の他国を毛嫌いする態度が、コロナ危機で失策を招き、国民は大きな災厄を被ることになった。

日本は、マスクの8割をほとんど中国から輸入している。
コロナ危機で中国はマスクを増産し、ここ1ヵ月で38億枚を世界に輸出した。
政府は増産と言いながら、「中国産は使わない」と言う閣僚の発言に忖度した担当官は3月に中国からの追加輸入を断念していた。


米国の疾病対策センター所長は「トランプ政権のメッセージは『中国に協力するな。彼らは敵だ』ということだ」と語っていた。
これで両国間の防疫協力関係は完全に切れてしまった。
米国は中国のコロナの詳細情報を手に入れることが出来ず、感染症対策の初動の遅れに輪をかけることになった。

必需品から医療情報まで、グローバル化社会では一時の断絶が致命傷になる。
将来、中国でほとんど産出されているレアアースの報いは桁違いになる。


* もう一つの厄介な性癖 *

このタイプの首脳は、敵を峻別する傾向にあるので、直ちに国境閉鎖やクルーズ船寄港拒否などで解決を図ろうとする。
これがすべて悪いとは言えないが、問題はその後の対応がお粗末になる事です。

たとえ閉鎖を実施しても、侵入を防げず、感染者は国内に広がって行きます。
米国は閉鎖を素早く行ったが、初動で遅れ、感染爆発を招いた。

このタイプの首脳は、科学的な重要性を理解出来ず、目立たない緻密な政策を疎かにするようです。


 

< 2. 米国の二人の大統領の違い >

現在、米国は国連安保理で「武漢ウイルス」を宣言に入れることに拘り、紛糾し宣言が骨抜きになっている。
これが以前の大統領なら、エイズ対策で国連が一致して対策を執ることが出来た。

トランプの下で国際保健分野は冷遇され、CDCの予算も削減されつつある。
エボラ出血熱時に設けられた国家安全保障会議のパンデミック担当チームは18年に解体された。
さらに米中の通商対立が加速し、米国は防疫情報で孤立するようになった。


 
< 3.2015年、ビルゲイツのTEDでの発表 >

ゲイツは今後、戦争よりもパンデミックで大量の死者が発生するかもしれないと警告していた。

今の両国政府は国家安全保障を歪めている。
安全保障は軍備だけでなく、伝染病、資源の枯渇、災害などから国民の健康と安全を守る事も範疇にあるのです。

不安、不穏な社会ではタカ派的な言動を売りにする首脳は非常に人気を得る。
この態度は、大国が他国から利益を奪う時には有効かもしれないが、伝染病のような世界的な危機に際して国民に大きなダメージを与える。
このような日米の首脳は、百害あって一利なしと言える。

重要な事は、国民が人気だけでトップを選ぶ愚を避けることです。


次回の続きます。



Thursday, April 2, 2020

世界が崩壊しない前に 11: コロナ危機対応で見えて来るもの 2









前回に続いて、コロナの感染爆発の可能性を探ります。


現在、東京で感染が拡大しているが、これとPCR検査との関係で意見が真っ二つに分かれている。
一方は「検査を少なくし感染を抑制している」、逆に「把握できていない感染者がやがて感染爆発を招く」と対立している。
前者は現状の日本政府と初期の米政府、後者はドイツや韓国の対応です。
残念ながら日本ではデーターによって論証する姿勢がない。

結論から言えば、検査を拡大させ初期に感染者を隔離してこそ感染爆発が防げる。
世界の感染推移のグラフ(前回のグラフ4)を見る限り、多くの国で、始めはゆっくり感染は進行しているが、やがて何らかの切っ掛けで感染爆発を起こしている。

当然、検査拡大時には、感染防止(ドライブスルー方式など)と事前の健康状態チェックによる選別は必要です。
実際、上記対策を講じて検査を拡大した国は、感染者数の割に死者が少ないか、終息を向かえつつある。
しかし日本政府はオリンピック開催と医療システムの不足・不備による医療崩壊を恐れて検査を増やすことが出来ないでいた。

今ままでは低水準だったが、前回説明したように対策の効果と言うよりは偶然の産物に過ぎないと考えて、検査拡大と共に、データーに基づいた抑制策(外出禁止など)が不可欠です。


日本の異常な推移を確認します。

 

< 2. 各国の感染データー >

横軸は累計感染者数、縦軸は1週間当たりの新規感染者数の推移。
横軸と縦軸の両方が対数目盛であることに注意。
上は3月3日、下は3月21日の値。
赤の矢印は、注目すべき米国、日本、韓国、中国を示す。

驚くべきは、世界各国がほとんど直線状に並び、感染の増加率(新規感染者/累計感染者)が一定だと言うことです(同じ病原体なので当然か)。
そして中国と韓国は、ある時点から抜本的な対策を講じたことで一気に終息に向かっている。

一方、米国は感染が発覚した時点で検査拡大を行わなかった為、上図のように平均的な線より下にあったが、感染拡大と共に検査による状況把握が進むと同じ結果になっているようだ。

一方日本は、未だに平均線より低い所でふらついている。
本当に日本だけが感染の増加率が低いのであれば、平均線を下にずらした緑色の線上を進んでも良いはずだが、そうではない。


もう一つ、不穏な状況を示すグラフがある。

 
< 3. 感染経路不明者の数 >

日本政府は感染クラスターを抑えているので問題無いと言うが、上記グラフの感染経路不明者と感染者の増加を見れば、否と言わざるを得ない。

しかし不可解な点もある。
/30現在、コロナの死者数が54名で、これと累計感染者数1420名からすれば比率3.8%は各国の平均より少し高い程度に過ぎない。
つまり死者数から、感染者数は妥当と言うことになる。

ところで日本の毎年の死者数は肺炎で95000人、インフルエンザで3000人(12月から5月が主)ほどいる。
推測でしかないが、死因の判別でコロナが洩れているのではないかと疑っている。

現状の日本の医療体制に、検査を拡大出来ない事情があるようだが、このままズルズルとやっていると取り返しのつかないことになる。


次回もコロナ危機を探ります。







Tuesday, July 9, 2019

平成の哀しみ 80: 改革を妨げるもの 15: 欲望の経済政策 7







*1

これまで日本と米国の経済政策を概観しました
まとめます

 
< 2. 陰るOECDの経済成長 >

日本の経済政策は米国の言いなり、かつ米国の模倣。
これは強者に振り回される弱者がさらに強者の悪い所だけを真似ているようなもの。

80年代以降、米英が先導し多くの先進国は金融・市場・企業に大きな自由を与えて来た。
中央銀行は初期こそインフレを見事に収めたが、その後は経費の掛からない景気刺激策として大量の通貨供給行い、バブルの元凶になってしまった。

あらゆる規制がどんどん取り除かれ、強欲な投機家と経営者は自由を謳歌し、バブルは過熱し高額所得者が増えた。
また米国企業の巨大化とグローバル化は瞬く間に世界に波及し、米国流から逃れなくなった。




 
< 3. 国によって異なる格差 >

富みが少数の超富裕層に集中し、99%の所得が伸びなくなったことで、貧富の差が拡大するだけでなく、成長力は陰り、失業率も高止まりした。
さらに規制緩和でマスコミが弱体化した。

この結果、国民は政治の蚊帳の外に置かれ、政治家に不信感を抱き、過激な言葉に煽情され易くなった。

まさに日米欧は亡国の末期症状を呈している。


しかし光明はある。

日本の国別ランキングは、一人当たりGDPで31位、幸福度で58位と凋落しているが、世界には多くの指標で毎年10位内に入るスイス、ベネルクス、北欧などの国がある。

全てが癌化し腐っているわけではない。
まだ模範とする国が多くある。


次に続く







Monday, July 8, 2019

平成の哀しみ 79: 改革を妨げるもの 14: 欲望の経済政策 6



< 1. FOXニュース >


自由放任主義と金融重視は亡国の末期症状


最悪の病状は繰り返すバブルと所得格差の拡大でしたが、むしろ癌化の進行こそが恐ろしい。

米国を例に挙げます。

大統領選挙では数千億円が動き、候補者側の資金の多寡がテレビのネガティヴキャンペーンなどの宣伝を左右する。

バノンとFOXニュースはトランプ大統領誕生の立役者です。
バノンのニュースサイトは保守の資産家に支えられている。
FOXは、ニュースを娯楽化した保守のメディア王が所有。
また共和党の躍進を担うティーパーティー運動も保守の資産家の資金が不可欠です。

つまり選挙と政治は資産家の意向が左右する。

当然、資産家は現状の経済政策を断固維持する。
この理由は下記グラフから一目瞭然です。




< 2. 米国資産家の所得増加と株価の推移、対数目盛 >

80年代以降、株価(金融商品)の上昇と共に資産家は急激に資産を増やしている。

しかしもっと恐ろしいのは、この状況が癌細胞の増殖と同じだからです。




< 3. 世界を支配する超富豪家達 >
https://www.newscientist.com/article/mg21228354-500-revealed-the-capitalist-network-that-runs-the-world/#bx283545B1
金融機関147社が世界の多国籍企業43000社の富の40%を支配している、2011年時点で。


企業統合や資本集中が進み、少数の資本家が共同で世界中の大半の企業を所有するようになった。
独占が進み、国だけでなく世界経済、さらに政治すら動かように成って来ている。
ホワイトハウスの財務金融のポストは金融会社ゴールドマン・サックス出身者が多い。

米国経済は成長しているが、実体は1%の超資産家の所得が増えるだけで、ここ40年間ほど90%の国民の所得は横ばいに過ぎない。

こうして米国民は政治経済を牛耳るエスタブリッシュメントに失望した。
そこでトランプが彼らを排除すると豪語し大統領になった。

しかしホワイトハウスの主要ポストはより怪しいエスタブリッシュメント(共和党と実業家)で占められた。

まさに民主主義が根元から蝕まれている。



次に続く


平成の哀しみ 78: 改革を妨げるもの 13: 欲望の経済政策 5



*1


政策転換には裏があった


 
*2


80年代の経済政策転換は米国の戦争と経済の陰りが引き金でした。

米国はベトナム戦争出費などによる財政赤字と製造業衰退による貿易赤字の重なる増大に耐え切れなかった。
米国は71年に金兌換を中止し、また為替の変動相場制に移行した。

古くから世界は金本位制によって貨幣の自由な発行を抑制して来た。
だが戦費が嵩むようになると、国は金との兌換を保証しないで貨幣の増発を行い、その結果、インフレと恐慌を招いた。
この反省から金本位制に戻る努力が幾度も繰り返されて来た。

さらに米国はイスラエルに肩入れし中東戦争が拡大していた。
これに対して市場を支配する中東産油国は団結し、イスラエルを支援する欧米に対して石油減産で対抗した。
これにより70年代に石油価格はそれまでの10倍へと一気に暴騰し、インフレが世界を襲った。


 

< 3. 1970年代のインフレと石油価格高騰 >


そこで各国労働者は賃上げのストを頻発させた。
また英米は経済成長著しい日独に押され気味で打開策を模索していた。

そこで英米政府と経済界は協力して、「労働者の賃上げと怠惰がインフレと不景気の元凶である」との一大キャンペーンをはった。

この英米の論理には飛躍があるのですが、富裕層や保守層(米国共和党など)にとって半世紀ぶりの天国奪還の好機だった。

つまり「金持ちはより金持ちになれる」チャンスを得たのです。
そして、これ幸いと規制緩和<ビジネスと言うより金儲け>を連呼するようになった。

日本も右に倣えとなった。


次に続く




Monday, April 1, 2019

平成の哀しみ10: 深まる亀裂 8: 勘違い 2



*1


日本民族には世界に類を見ない崇高な精神がある








世界の歴史家が認める日本の帝国主義を無かったことにし、自虐史観と非難する人々にとっては、これが譲れない。

彼らがこの矛盾に気づかない限り、けっして自国の罪業を認めない。
そして隣国との宥和は遠のくでしょう。

答えは、人類は皆同じ行動パターンを取る事に尽きる。

右翼の雄でさえ「世界は一家、人類は皆兄弟」と言っていた。
これはさておき、人間は極限状態で常軌を逸することは心理学実験や歴史的事実として知らている。

武士道が例証されるが、高々数百年の軍人階級に育まれた文化で、この恥や名誉を重んじる行動パターンは世界中の先住民から英国にもある。
特段優れたものとは言えず歪もある。

日本の精神文化は強い軍隊を生み出すが、人道的な問題を生じやすい。
これは東アジア、特に日本で強い帰属意識が原因です。
これは同胞外への迫害、同胞域外での倫理観放棄、権威への盲従(ドイツも同じ)、同胞の悪事隠蔽、これらが外地の軍隊の非道を招くことになった。

また日本軍の個人無視と無責任な作戦が災いし、兵站無視による飢えで外地では極限状態が頻発した。

こうしてせっかくの崇高な精神は潰えた。


次回に続く







Thursday, March 28, 2019

平成の哀しみ8: 相争う 6: 繰り返す過ち 2



 
*1


なぜ人は過ちを繰り返すのか?



 


1.子ブッシュ米国大統領

彼は2001年同時多発テロ直後の勇ましい発言で史上最高の支持率を得たが、任期終了時は史上最低だった。

外部に敵を作り、罵倒する姿勢は絶大な人気を得ることがある。
人々は愛国心に燃え敵意を高ぶらせ不満を忘れる。
これはヒトラーのような悪辣な為政者の常套手段で多くは悲惨な結果に終わる。

一方で希に敵を正しく捉え世界を救う為政者もいる、ルーズベルトやチャチールのように。


2.繰り返すナショナリズム

日本では負の歴史を自虐史観と罵り、美化する機運が高まっている。

実は、これは世界の潮流でもある。
冷戦などにより後進国で内戦が蔓延し、欧米への難民とテロが頻発し、文明対立が強く意識されるようになった。
一方で欧米は経済が伸び悩み、格差を拡大させ、国民の不満が高まっている。
こうして国内では分断、海外には排他的になった。
しかし、これが安易に受け入れられようになったのは大戦後70年以上経ったからです。

さらに日本では歴史を自省していないことが災いしている。
これは19世紀末に、国内の停滞を植民地に活路を求めた西欧の状況と非常に似ている。
そして第一次世界大戦が始まった。

次回に続く








Friday, March 22, 2019

平成の哀しみ6: 深まる亀裂 4: なぜ米国は変わったのか





*1


なぜ米国は戦争をするのか?

ある時まで米国はヨーロッパに干渉せず、対外戦争を避ける国でした。
しかし第一次世界大戦(1914~)で米国は戦争を終わらせる為に参戦します。
そして二度の大戦で大きな犠牲を払い、また経済援助によって世界平和に貢献した。




*2

この間、米国は軍需景気で潤い、最大の経済大国に上り詰めた。
第二次世界大戦以降、米国の軍産共同体は肥大化し、各国への支援は経済覇権を拡大させた。

初め、米国はヨーロッパなどの植民地政策を批判し、是正しようと各地で介入した。
だがソ連の共産圏拡大が進むと、米国は対決姿勢を強め、互いに軍拡、同盟国造り、反同盟国潰しへの競争を激化させていった。
両国の暗躍により、発展途上国でクーデター、独裁政権誕生、そして内戦へと戦火は拡大していった。
さらに米国が途中からイスラエルに加担したことで、中東はまさに火の海となった。

世界は核戦争を逃れたが、紛争が多発し憎悪と飢餓は広がり、難民はブーメランとなって欧米を痛めた。

いつしか米国は世界中に火種を撒き、時には火消し役も務めた。
それは米国の経済(負債)と社会にも深く傷を残した。

これは繰り返された盛者必衰の一幕かも


次回に続く

Tuesday, January 1, 2019

連載中 何か変ですよ 211: 何がより良い選択なのか? 2



*1


「日本国民は何を信じ、何を待っているのか?」
好景気か、はたまた福祉社会か?
それとも果てない繁栄か?
私には見えない。


< 2. 1年前と今の株価はどのように見えるのか? >


皆さんはどう思いますか?

.    どうしたら暮らしは良くなるのか?
 企業に溢れるほどのお金を回すべき
賛成: 企業が潤ってこそ、設備投資と給料支給が出来る。
反対: 労働者(国民)は給料が無いと企業の商品を買うことが出来ない。

注釈
まるで「鶏が先か、卵が先か」の問答です。
一見難解に見えるが現状起きていることは単純で、むしろその先が問題です。

それでは日本政府は何をして、その結果何が起きているのか簡単に見ます。
本来、20年も続くデフレが解消され、インフレと好景気が訪れるはずでした。

1.日銀は、この5年間で市中銀行から国債を購入し、政府発行残高の40%440兆円を買った。

A.これによって銀行にだぶついた低金利のお金に、企業が飛びつき設備投資を行い、国内の生産を増加させる。
 しかし日銀の供給したお金の多くは投機に回り、株価や不動産価格の上昇に繋がっただけで設備投資はここ数年少し増えただけ(欧米も似たもの)。

B.国内のだぶついたお金は円安を招き、輸出企業の業績を向上させる(円安は他の要因が大きい)。
 円安で輸出企業(大手)は潤い、海外の観光客も増えたが、逆に輸入物価の上昇で輸入企業、国民の台所、企業の原料調達は苦しくなった(原油安だけが救い)。

C.同時にインフレが起き始め、国民は消費を前倒しさせ景気が勢いづく。
 しかしインフレは起きなかった。


2.政府は予算増額(軍備)と規制緩和(労働)、一部の減税(富裕層)と支出カット(福祉)を行い、日銀と一緒になって株購入を行った。
( )は特に目立った部分。


全体の狙い: 最大の狙いはお金のばら撒き(財政出動と金融緩和)、次いで自由競争を促して景気を良くすることで、借金体質の改善も少しある。

総合結果: 円安と株価上昇、減税、規制緩和で主に大手輸出メーカーと投資家、富裕層は潤った。
また失業率が低下し、かろうじてGDP成長率零から脱した。

しかし、この間にマイナス面も際立つようになった(予想通りでした)。
D.国民(労働者)の賃金と家計消費支出は長期に低下している。
E.格差拡大(再配分前のジニ係数、貧困率)、家庭の食費増大(エンゲル係数)、低賃金の非正規割合の高止まり。
F.現在バブル崩壊が起きつつあり、場合によってはリーマンショックを上回る金融危機に見舞われる。

皆さんはどう評価しますか?

現状を好感し、将来に期待する人はプラスに評価するでしょう。
一方、現状をプラスマイナスゼロと見なし、悪化に危機感を抱く人はマイナスに評価するでしょう。

一つ明確なことは、バブル崩壊が始まれば、過去半世紀の経緯から見て巨大な金融危機が起こり、これまで10年間の繁栄が吹っ飛ぶだけでなく、むしろ深刻な不況が長く続くことになる。
前回のリーマンショックに比べると、日中米英の貨幣供給量が並外れて大きく、中国経済の崩壊、支離滅裂なトランプが加わり、危機を最大化させる可能性がある。
特に日本は世界初レベルの金融緩和を行い、米中経済と関りが深い為、これまでにない不況に陥る可能性がある。


一言
ここで「鶏が先か、卵が先か」に答えます。

ケインズがそれまでの供給から需要を優先すべきとして成功した20世紀前半の米英の政策転換がヒントです。
鶏は企業、供給であり、卵は労働者、消費需要だと理解すれば答えは明瞭です。
つまり、この数年間のアベノミクスは1980年代以降の世界をデフレ、高失業率、格差拡大に陥れた金融優先と自由放任主義の物真似に過ぎない。

見え難いが将来禍根を残す問題とは何か?

一つは円安で旧態産業の延命を図ったこと。
その上で、離職時の支援と賃金低下の歯止めを行わず、労働者の流動性だけを高めたこと。
本来、経済先進国は自国通貨高に応じて、産業構造の革新とそれに並行して労働者の流動性を高めるべきでした(かなり困難だが北欧は成し遂げた)。
移民の問題も同様に片手落ちで、欧米のように将来禍根を残すことになる。

結局、このままでは日本では既得権層が優遇され、多くの国民は疲弊して行く末路にある。


次回に続きます。



Saturday, December 29, 2018

連載中 何か変ですよ 210: 何がより良い選択なのか?






*1


「日本国民は何に不安を感じ、何を頼りにしているのか?」
私には見えてこない。
戦争か平和か、または繁栄か金融危機か、左右から罵り合う。
何が国民にとってより良い選択なのか?



*2


皆さんはどう思いますか?

1.    どうしたら戦争や侵略を防げるのか?
軍備を増強するべき
賛成: 小国は侵攻され易い。
反対: 大国と軍拡競争をしても無駄、むしろ敵愾心を煽る。

注釈 
繰り返される米ロ(ソ連)の軍事侵攻を見ていると、小国の悲哀は今なお現実です。
これら侵攻の多くは、民族や宗教対立で混乱している小国への大国の領土・資源・覇権争いと言えるでしょう。
また軍拡競争と軍事同盟の果ての大戦が二度も続き、これも深刻です。

一方で、不戦条約締結(1929年)以降、世界が一緒になって暴虐な国々の世界制覇を多大な犠牲を払って食い止めました(米国の力は大きいが、その後変節している)。

日本にとって確実な戦争回避策はあるのか?

例えば沖縄の基地をどう評価するのか?
沖縄は米国の中国への前進基地として防波堤の役割を担うのか、それとも最初の激戦地となり、日本も火の海になるのか?(沖縄は、以前より米国のアジア侵攻の発進地として使われているので、最初に攻撃されるだろう)
沖縄よりもグアムやハワイの方が、米国や日本にとっても戦略上優位なのではないか?(あまりにも日本と米国の本土から離れている)

北朝鮮の軍事緊張にしても、今回の一連の動きで判明したように米中次第であって、日本の役割は少ない(蚊帳の外で騒ぐだけだった)。
北朝鮮に睨みを利かすのは空母などの機動部隊がいる佐世保が最重要です。

結局、回避策は日本と米国、中国、ロシアの状況を的確に評価出来るかにかかっている(日本は過去に大きな見誤りを繰り返しており、いまだに反省していない。今度こそ島国を言い訳にしないでほしい)。

要は侵略する国、軍事同盟、抑止力、日本の立場―国際的と地政学上(大陸に近い島国)、をどう評価するかです。
少なくとも日本は小国では無く、今後米中の覇権争いは熾烈を極め、中国経済は益々巨大になり、やがて日本は米国依存一辺倒ではすまなくなるだろう。

ここ1世紀半の世界の流れを振り返ると日本の動きが見えてくる。
19世紀後半以降、英国の覇権は衰えて、米国はやがて断トツ一位の経済大国になって行く。
第一次世界大戦はドイツの経済が英国を抜きヨーロッパで一位になる時期と重なった。
また第二次世界大戦は、日本が経済の規模こそ及ばないが急伸し、軍事同盟先を英国からドイツに替えて始まった。
この間、米国は軍事でも世界第一位となり、日本は敗戦占領を期に米国に完全に追従することになった。 


一言
ここ半世紀あまりの世界の戦争をみると、幼児帰りしているように思える(不戦条約締結以前に戻る)。
侵攻される小国に紛争や混乱などの火種があることもあるが、大国は一方的な口実を持って侵攻する。
その口実を、かって世界平和の為だったが、今は戦争の芽を摘むとして自己防衛と称している。(初期には当事者に大量の武器を売る一方で、やがて都合の悪い政府を潰し、それを傀儡政権に替え、挙句に侵攻して破壊する。特に米国。)
これはかっての戦争と何ら変わらない、いつの間にか中世から原始社会に戻ったようです。


次回に続きます。