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Monday, September 21, 2026

短縮版 迫る多難な危機  第二章 2-7

 


「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」

 

この短縮版は、既に投稿済みの「迫る多難な危機」を、少し内容を割愛、分割して連載します。

 

 

まえがき

 現在、深刻な危機が同時多発的に地球と人類に迫っています。特に、この20年あまり、一部の大国が身勝手に振舞って来たことでより加速しています。今、私達が立ち上がらないと、子孫に顔向け出来なくなる。家族と世界を再び幸福にしましょう。Make the world and people happy again!

 

--- 目次  ---

 

第2章 人類は危機にどう対処したのか?

2-7 幾多のエポックが社会を変え、発展をもたらした             

まとめ 

 

 

 

 

 

 

第2章 人類は危機にどう対処したのか?

 人類は、初期には自然の猛威だけでなく、自ら作り出した災厄からも逃げ出すしかなかった。しかし、やがて工夫と協力で危機を乗り越えて来た歴史があります。失敗や成功の事例を見ます。

 

2-7 幾多のエポックが社会を変え、発展をもたらした

 

 人類の進化・進歩は、幾たびかの「大きなエポック(技術的・社会的転換)」を経て行われた。しかし社会内部では大きな対立と攻防がもたらされた。人類はこれらをどう乗り越えて来たのか? 四つのエポックが人々に何をもたらしたかを見ます。


 

 農業革命は約1万年前に始まり、それまでの採集から栽培・家畜化へ進み、定住と貯蔵が可能になった。そこから大変動が始まります。定住と土地の所有、食料の貯蔵が普及し人口が増えました。一方、不作になると他村の備蓄、家畜や土地を奪う事で生き残りを図るようになり、襲撃・略奪が増えた。やがて富の格差が生じ、支配者が生まれるようになった。青銅器時代になると戦争と都市化が加速した。紀元前3300年頃から始まり19世紀まで続く王権のスタイルが誕生し、強化されていったので、平民・奴隷は重税・賦役に耐える長い時代を生きることになった。生産効率を格段に上昇させた農業革命は、戦乱が平定され王権が安定すれば、平和が訪れて経済と文明の発達をもたらした。

 

 




 精神革命は紀元前800年~紀元前200年に、ユーラシア大陸の4つの地域でほぼ同時に興りました。ユダヤ教、ギリシャ哲学、諸子百家、仏教等の新しい哲学や宗教が誕生した。これらには以前に無い特徴があり、部族や小国を越えた広い地域に適用できる普遍的な真理や道徳を持つ思想や宗教でした。これが生まれた背景に、鉄器の普及により生産力と軍事力が向上し、大規模化する戦争が都市国家から大規模国家へと統合させたことがある。また交易網が発展し、異なる文化や異質な価値観が接触することで、自民族のローカルな神話を客観視し、より抽象的で普遍的な真理が生まれる土壌が育った。この過程で、敗れた王権の伝統的権威が失墜し、王宮の形骸化した祭祀(宗教)に批判が向けられた。一方で祭祀者(司祭)や軍の参謀らの知的エリート層の中から、新しい思想や宗教が生み出された。彼らの思想や宗教は、血縁や共同体の崩壊で混乱する民衆の心を捉え、大きな広がりを見せた。新しい帝国は、これらの宗教が社会に強い紐帯や安寧をもたらすとし国教と定め、押し広めた。こうして国家と普遍的宗教が強く結ばれるようになり、世界宗教として現在まで絶大な力を持っようになった。ギリシャ哲学でさえ、宗教(神)を否定することなく、神事は継承され都市民の絆として残った。精神革命は、社会の混乱の中から生まれた思想・宗教が民衆と国家に受け入れられ、その後も国家平定に役立ち続けた。

 


 商業革命15世紀から18世紀にかけてヨーロッパで起きた。大航海時代を契機に世界規模の貿易ネットワークが形成され、金融制度・商業組織・社会構造が劇的に変化した。この過程で、為替手形等の金融制度が発展し、株式会社が誕生し、近代資本主義の原型が生まれた。また社会にも変化が起きた。商人・金融家は、港湾都市が発展すると、農業収入に依存していた封建領主に代り、巨富を築き、力を得るようになり、後の市民革命の担い手になった。新規なものに投資することにより富を築く事が可能になったことで、従来の身分や慣習に囚われない、自由な発想が商人を中心に広がっていった。こうした中、彼らの思いを代弁するような思想がいくつも生まれた。18世紀スコットランドのアダム・スミスの経済思想へと結実していきました。彼の言う「個人が自らの利益を追求して自由な経済活動を行えば、市場の価格メカニズム(見えざる手)によって、結果的に社会全体の富や便益が最大化される」が、現在も呪文のように唱えられている。

 

 16世紀の宗教改革の思想の一部には商業革命の影響も受けていた。カルヴァン派(プロテスタントの一派)が誕生し、西ヨーロッパの商工業者を中心に爆発的に広がり、後に英国から北米に植民するピューリタンとなり、今の米国の最大宗教派の礎を作った。ピューリタンは、中世カトリック教会が否定した金儲け・高利貸し行為に対して、「勤労による利益は神の恵み」と肯定するようになっていた。 

 


 

 英国の産業革命は、18世紀後半から19世紀前半にかけて、手工業中心の経済が、機械・工場・蒸気動力・大量生産を中心とする経済へ移行した大変化です。

 紡績織布の各工程の機械が17331779年に発明され導入されます。機械が大型化すると、動力としての蒸気機関が大幅に改良され、鉱山だけでなく工場・船舶・鉄道にも利用されるようになった。次いで製鉄・運河・鉄道が発達し、重工業化と輸送革命が進行した。

 

 工場が増えると都市化が進みましたが、労働者の住宅、上下水道、ごみ処理が不足し、人口過密と衛生問題が深刻化しました。工場では、女性や子供も多数働くようになり、また危険で長時間労働と事故が増えた。こうして産業革命の初期、労働者は悪条件下で賃金が低下し続けた。こうして資本家層の横暴が目立つようになり、宗教家・改革者・労働者の改革運動を背景に、18021842年にかけて議会は次第に労働者保護の規制を導入するようになりました。そして1871年労働組合結成、1906年スト権が合法化され、後に普通選挙を国民が手に入れることになった。やっと労働運動によって国民全体が産業革命の成果を得るようになり、賃金の上昇が始まった。

 

 産業革命において旧産業に働く人々は失業したはずだが、社会全体ではどうなったのだろうか? 学者らの推計によれば、全期間において平均失業率は13%程度と低いようだった。初期の農林業従事者が鉱工業・建設業とサービス業に向かい、新産業が旧産業の失業者を吸収した。しかし二つの問題があった。機械に仕事を奪われた職人は機械生産との価格競争に晒され、過酷で低賃金に耐えた。今一つは、資本主義経済が定着したことで、景気循環による恐慌が頻発し、失業率が1020%になることもあった。

 

 産業革命は最終的に経済を発展させ国民所得を上昇させ、次の米国の自動車や電気産業の発展へと繋がっていった。そして資本主義経済と自由貿易体制が確立した。一方で、労働運動から民主主義(人権尊重、多数決)と社会保障の充実が進み、1970年頃まで中産階級は上昇し続けた。

 

 産業革命は今に通じる、科学尊重、チャレンジ精神、勤労習慣、自由と権利の平等、民主主義等の重要な国民の意識を育んだ。一方で、大航海時代より世界に植民地を広げる中で、白人以外への差別は無くならず、さらに産業革命終了頃からヨーロッパは帝国主義(植民地獲得)へと突き進み、各国が競争・武力衝突を繰り返し、第一次世界大戦の勃発に至った。

 

 

まとめ

 これまで4つの革命と一つの改革を見てきました。農業革命では、平等だった狩猟採集社会に終わりを告げ、戦争と国家を生み、軍隊を持つ王の下に階層社会が出来上がりました。

 精神革命では、文明の発展と経済圏の拡大により、戦争と国家の規模が拡大し、戦火で疲弊した社会を安定させる説得力を持った宗教が生み出され、より広大な領域に精神的な一体感が生まれた。

 商業革命では、武力だけが権力基盤だった社会から、商人が第二の権力を握れる貨幣経済社会が到来し、やがて封建社会が廃れることになる。また宗教改革で分離したプロテスタントは教会権力から、各人が神と対峙するという意味で、主体性と権力からの自由の意識を持つようになった。一方、神の救いは決まっているが不明とされたので、自分が選ばれることを望み、地上で勤労に励み、自由な経済活動を尊んだ。この革命が終わる頃には、ヨーロッパ人は自由と主体性を持ち得るようになった。しかし一方で、奴隷アフリカの奴隷黒人、新大陸の先住民の酷使、東欧の農奴化と、ヨーロッパ人による搾取と差別が地球規模で行われ、その後も大きな傷痕を残し続けることになる。産業革命は、資本主義経済(工場、金融、法制度、市場)と工業製品によるグローバル経済を確立した。都市化と鉄道等交通網が発達し景観が一変し、地主貴族、新興資本家(ブルジョワジー)、都市労働者(プロレタリアート)の新しい階層が生まれ、中産階級(商人・専門職・事務職)も拡大し、社会も一変した。この資本家と労働者の対立が激化する中で、国民には二つの道が示された。一つは、資本家の横暴を根絶するために労働者が政権を担う共産主義を目指す。もう一つは、労働者の要望を国の制度に反映し続ける福祉国家を目指す。英国は後者を選び、人権尊重や福祉制度が進んだ。20世紀前半まで、多くの欧米諸国はこの方向を目指し、北欧は遅れて福祉国家を選んだ。しかし、1980年以降、先進国は様変わりした。 

 

 残念ながら、現在は、これまで人類が築き上げて来た素晴らしい精神を反故にし、迷宮に迷い込み、泣き叫ぶだけになってしまったようだ。

 

 

----全体の目次----

第一章、世界に迫っている危機の要約。

第二章、人類はこれまでに危機に対してどう対処して来たか。 

第三章、我々が直面している重大危機。

第四章、米国の衰退と世界の危機回避能力喪失は一体。

第五章、如何にあるべきか。

第六章、成功している北欧は資本主義のもう一つ道。

 

 

Saturday, September 19, 2026

短縮版 迫る多難な危機  第二章 2-1,2-2,2-3

 


「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」

 

この短縮版は、既に投稿済みの「迫る多難な危機」を、少し内容を割愛、分割して連載します。

 

まえがき

 現在、深刻な危機が同時多発的に地球と人類に迫っています。特に、この20年あまり、一部の大国が身勝手に振舞って来たことでより加速しています。今、私達が立ち上がらないと、子孫に顔向け出来なくなる。家族と世界を再び幸福にしましょう。Make the world and people happy again!

 

--- 目次  ---

 

第2章 人類は危機にどう対処したのか?

2-1 繰り返される紛争と戦争 

2-2 繰り返される独裁 

  独裁とは何か?

2-3 繰り返される経済格差の拡大と縮小   

  我々人類は、社会の格差を自ら是正する事を可能にした

 

 

 

第2章 人類は危機にどう対処したのか?

 

 人類は、初期には自然の猛威だけでなく、自ら作り出した災厄からも逃げ出すしかなかった。しかし、やがて工夫と協力で危機を乗り越えて来た歴史があります。失敗や成功の事例を見ます。

 

-1 繰り返される紛争と戦争

 

 多くの戦争が繰り返されて来たが、大戦後、大国、特に米国が仕掛けた戦争は、いつも安易に始められ、そして泥沼化していた。上層部は失敗だと気づいていも認めず、勝つまで続けようとする。独裁者なら、なおさらで、自分の身に危険が及ばない限り止めない。ベトナム戦争、プーチンのウクライナ侵攻、トランプのイラン侵攻等は分かり易い例でしょう。振り返れば何と馬鹿げた理由、有りもしない脅威のために戦争が始められ、国民の犠牲と破壊が一顧だにされなかった事に気づくことになる。人類は、戦争の危機を、自ら招いてるように見える。指導者が自らの権威を高めたい時、国民が熱情(敵意や恐怖)に突き動されている時に多い。それは国が疲弊し焦る中で、また国力に驕りを感じている時に起きる。

 古代アテネは、いつしか侵略戦争の覇者として命脈を保つようになっていた。これに脅威を感じたスパルタが挑み、BC5世紀ペロポネソス戦争が始まった。ギリシャの諸都市国家は戦禍で疲弊し、この後、アレキサンダー大王の支配に屈し、歴史の舞台から消えてしまう。これが大国の驕りと煽られた敵意の成れの果てでした。先住民の部族・村同士の闘争は、些細な事で始まる場合がある。例えば、アマゾンのジャングルにおいて(百年以上前)、別の村人の狩猟の矢が間違って当たって一人死んだ。すると死者の家族が、相手の村の誰かをこっそり一人殺害する。こうして復讐戦は拡大し、村人に多くの被害者が出るまで続くことがある。上記に挙げた古代ギリシャから今のプーチンやトランプの戦争に通じる。

 


  この一方、人類は途方もない殺戮の末に困難な停戦を幾度も実現して来た。二国間や数十ヵ国の話し合いで平和条約を締結し、国の存立基盤(国境)を定義し、国民(捕虜等)の権利(国籍・宗教等)を確定して来た。紀元前1259年カデシュの条約締結、1648年ウェストファリア条約締結、1998北アイルランド和平合意(ベルファスト合意)等が代表的でした。

 

 20世紀後半になると、未然に戦争を防ぐ手段が多数の国によって行われた来た。国際連合、核兵器不拡散条約と核の査察体制、「戦争を予防する平和維持ミッション」を担う国連予防展開部隊や国連平和維持活動、国際機関資源の奪いを避ける為の多国間による共同管理(EUの前身)、世界が共同して国境問題や戦争犯罪を司法で裁く等の多くの国際機関を設立して来た。

 

 人類は紛争を繰り返して来たが、一方で紛争を終わらせ予防する策を講じて来ました。敵対国・紛争当事国だけでなく、世界各国が自らの事として、紛争・戦争予防に協力するようになって来ている。一方で、大国は驕りとエゴで、この動きを牽制し破壊しようとしている。

 

 

 

2-2 繰り返される独裁

 

 マケドニアのアレキサンダー大王、漢王朝の創始者劉邦、江戸幕府開祖の家康、モンゴル帝国のフビライは、偉大な独裁者だから広大な領土を統一し統治出来たので、その後の国の平和と安定が続いたもと言える。しかしナチスのヒトラー、ジンバブエのムガベ前大統領、インドネシアのスハルト元大統領、シリアのアサド元大統領、チリのピノチェト元大統領の残忍さや悪辣さは如何にも独裁者らしく避けたい。

 

独裁とは何か?

 国を治めるには、トップと支配集団(同盟集団や官僚等)が不可欠です。大多数の国民にとっては民主主義が最良なのですが、トップから見れば独裁の方が遥かに楽であり巨富が得られる。独裁であれば、数千から数億の国民のご機嫌を取る必要はなく、数十から数百の取り巻き(同盟集団)に利益を与えれば済む。そしてその同盟集団は軍部や警察(KGB、憲兵)、マスコミ、司法すらを指揮し、国民を抑え込めば良い。独裁者は国富の数割を掌中に収め、残りを同盟集団に配れば良いのです。これがかつての封建時代の王や君主でした。しかし、ほとんどの国は300年以内に腐敗し崩壊した。独裁は共産主義だけではなく、民主主義国家や民間組織(FIFA)でも、いとも簡単になり得るのです。

 

 それでは、独裁国家から民主主義国家は生まれ得ないのか? かつて前政権の転覆は、ほとんどが軍事力・暴力で行った。これでは、どうしてもその暴力集団が独裁を生み易くなる。共産主義革命や明治維新等のように、軍閥が同盟集団となり長く支配した。しかし、徐々に非暴力の転換が可能になり、20世紀には事例が増えて来ました。



  独裁制から民主制に転換する切っ掛けは、独裁者と同盟集団の存続が危うくなった時です。例えば、収入源の枯渇(経済封鎖、大不況)、外国からの支援停止(大国の支援停止)、独裁者自身の衰弱、国際世論の反発等がある。しかし、不可欠なのは、多くの国民が立ち上がり、反旗を翻した事です。これらによって同盟集団が独裁者を見限り、転換がほぼ無血で成功することになる。この事例が、フィリピンの「無血革命」と韓国の6月民主抗争」による民主化、バルト三国のソ連からの独立等が、歴史に残る成功でした。

 

 それにしても改革には捨て身の国民が立ち上がら無い事には始まらなし、有能で素晴らしい指導者らはいつの世にも欠かせない。

 

 

2-3 繰り返される経済格差の拡大と縮小


 概ね貧富の差は王朝の発展・継続と共に拡大し、王朝が発展する連れて貧富の差が縮小することはなかった。理由は簡単で、王朝を支配する独裁者の家系と同盟集団が益々肥え太るようになるからです。当然、腐敗が横行し経済効率も悪化しやがて衰退する。領土内外から収奪するものがある限り、少しは王朝の延命は可能だったが。1200年続いた古代ローマは、初期には少なかった格差が拡大し続け、結果、国民は国の存続に意を介さず自壊するように滅んだ。全盛の2世紀頃、人口の約1.5%のエリート層が帝国所得の20%を得て、約90%の人々は生存ギリギリの生活をしていた。今の米国では、上位1%の保有資産は、全米の総資産の31%前後で、上位1%の年間所得は下位50%の平均所得の約153倍になっている。民主主義国?でも、古代ローマと変わらない。日本の奈良時代から平安時代にかけても、江戸時代末期も同様に格差は拡大した。

 格差拡大は技術革新中にも起こった。産業革命は、最初、綿工業の技術革新で始まり、次いで機械化が進み、蒸気機関が使われ始め、工場制機械工業が定着して革新は終わります。この間、農民は農業地帯から都市部の工場労働者へと吸収されて行き、都市は急成長した。ところが英国国内の経済格差は産業革命前より悪化した。これは、生産性の急上昇はあったのですが、収益は資本家・企業が得て、賃金の低下や労働条件の悪化(長時間労働)が起きていたからです。当時、国民、特に労働者を守る法律は無く、組合やストは犯罪でした。痺れを切らした労働者は逮捕覚悟で労働組合結成に動き、やがて組合やストが合法化され、労働条件の改善が図られた。遂に農民・労働者の選挙権を獲得するまでになり、1906年には労働党が国会に議席を獲得するまでになった。こうして英国民は約80年を費やし、資本家らの暴挙を抑え込み、産業革命の成果にあずかることが出来たのです。そして産業革命終了後の英国だけでなく、新世界や日本は経済も含めて大いに恩恵を受けました。

 

 

我々人類は、社会の格差を自ら是正する事を可能にした

 

 人類は、優れた指導者によって国民の支持を受けながら果敢に丁寧に施策を行って格差是正を成功させて来た。貧しく借金に喘ぐ人々の債務を帳消しにし、貴族や大土地所有者から土地を没収し、再配分を行った。また債務奴隷を解放し、富裕層だけに政治権力を独占させない政治制度を作った。この代表例が、紀元前6世紀の古代アテネのソロンの改革と、紀元前2世紀古代ローマの土地改革でした。前者は歴史に残る成功だったが、後者は、猛反発した元老院の策略により指導者は自害し改革は挫折した。とかく既得権益者との戦いの熾烈さは、今も昔も変わらない。

 しかし20世紀初頭にもなると様相が変わった。新たな指導者達は、労働者・企業・富裕層への徴税と社会保障制度と呼ばれる再分配制度を考案し、恒常的な格差是正システムを完成させた。累進課税と疾病保険法、労災保険、障害・老齢保険などを国民に提供した。この代表例が、20世紀初頭のドイツ・ビスマルクの社会保険制度、20世紀前半の西欧の黄金時代(福祉社会を志向)と呼ばれる動きでした。

 1930年代、米国で、新機軸となる大恐慌の救済策としてニューディール政策が導入された。これは公共事業による雇用創出(需要拡大)、社会保障制度の創設(老齢年金)、労働組合の保護、金融規制などでした。これらの結果、二つの大戦に挟まれた最悪の時代にありながら、欧米の経済格差は歴史上最低を継続出来た。高い税負担(富裕層)と引き換えに高い生活水準と社会的信頼が形成された時期でもあった。

 

 都市の出現以降、覇権を握った国家は必ず腐敗し格差が拡大した。やっと民主主義が定着したと思われた20世紀になってからも、北欧等の一部の国を除き、やはり腐敗と格差が広がっている。特に新自由主義を牽引した米英日の悪化は先進国の中でトップです。どうやら人類社会では、国民が日和見に甘んじていると、必ず富裕層(既得権益層)に政府が牛耳られ、腐敗と格差が拡大する運命にあるようです。それでも悪化が行き過ぎると、国民は立ち上がり、それを担う指導者が現れる。そして新たな指導者層と改革された社会システムで始まる。ところが、ポピュリズムに冒されると、独裁に嵌り込み、悪夢が再び始まる。結局、成功の必須条件は、行き過ぎた資産拡大を抑制し、機会の平等を準備し、また富裕層(一部の層)に政治や経済を支配させないようにすることでした。残念なことに、今は末期に近いづいているようですが。

 

 

----全体の目次----

第一章、世界に迫っている危機の要約。

第二章、人類はこれまでに危機に対してどう対処して来たか。 

第三章、我々が直面している重大危機。

第四章、米国の衰退と世界の危機回避能力喪失は一体。

第五章、如何にあるべきか。

第六章、成功している北欧は資本主義のもう一つ道。

 

Friday, September 18, 2026

短縮版 迫る多難な危機  第一章


「一時の自己満足の為に人類を破滅させては、神も悲しむだろう」

 

この短縮版は、既に投稿済みの「迫る多難な危機」を、少し内容を割愛、分割して連載します。

 

まえがき

 現在、深刻な危機が同時多発的に地球と人類に迫っています。特に、この20年あまり、一部の大国が身勝手に振舞って来たことでより加速しています。今、私達が立ち上がらないと、子孫に顔向け出来なくなる。家族と世界を再び幸福にしましょう。Make the world and people happy again!

 

 --- 目次  ---

1章 様々な危機

 

1.戦争と紛争が増えている

2.独裁が増えている

3.経済格差が酷くなっている

4.金融危機は必ず起きる

5.マネーが世界を巡り、逃げている

6.温暖化が暮らしと生命を脅かしている

7.AI産業革命が始まった

8.分断と対立が益々深刻になっている

9.世界が対立し分裂し始めている

10.最重要課題:米国の衰退が限界に達しつつある

 

  

1章 様々な危機

 放置すれば地球全体に波及する危機10件。

 

1. 戦争と紛争が増えている


 各大陸で紛争とテロが多発し増加傾向にある。現在世界で200近い紛争が起きてている。さらに、ここ数年、相次いで大国が隣国を侵略するようになった。ロシアがウクライナ、イスラエルがパレスチナ、米国がイランに甚大な損害を与えている。

 これらを放置すれば、世界大戦へと拡大する可能性がある。ヒトラーの初期の侵攻を許したがゆえに大戦が始まった。侵略を放置し、大国の横暴を許せば、次の侵攻を誘発することになる。

 

2. 独裁が増えている


 20年ほど前から、世界は異様な熱気を帯びてきた。各国で右翼ポピュリズムが人気を博し、遂に独裁者が軍事大国を掌握するようになった。プーチン、習近平、金正恩が筆頭だが、多くの国で独裁化が進んでいる。既に世界の半数90ヵ国が独裁体制(半独裁)になった。米国も着実にトランプ独裁に向かっている。腐敗と困窮が独裁をもたらし、戦争へ向かう。

  

3. 経済格差が酷くなっている


 現在の経済格差には二つの側面がある。先進国内で、貧富の差が著しく拡大し続ける一方で、かつての発展途上国では国民所得が上昇し、先進国との差を縮めている。前者は行き過ぎた放任経済、後者はグローバル経済に起因している。

 最重要問題は、米国を筆頭に英国、日本等で加速する格差拡大と貧困率増大です。このことが欧米の社会混乱、分断、ポピュリズム台頭を招いた理由の一つです。

  

4. 金融危機は必ず起きる


 これまで世界を揺るがした金融危機は、ほぼ米国発で繰り返し起きた。リーマンショック後、16年を経て、問題はいつ起きるかです。前回の危機では、世界の時価総額の約3000兆円が吹っ飛び、不良債権の処理費は300兆円以上にもなった。さらに、その後10年におよぶ景気後退による損失(機会)は、世界で数十から百兆ドル(最大1京6000兆円)にもなった。


  5. マネーが世界を巡り、逃げている


 カリブ海に浮かぶ英領ヴァージン諸島は、タックスヘイブンの代表格、人口3万弱の島に登録企業は80万社以上ある。富裕層や企業が租税回避している総額は世界で2000~5000兆円に達する。企業と富裕層が減税された上に租税回避地まで作り、国の税収は減るばかりです。また為替・商品・株への投機で巨額の資金が世界中を巡っている。投機家は為替取引では実需の百倍にもなる1500兆円を毎日動かし儲けに奔走している。

 

6. 温暖化が暮らしと生命を脅かしている


 氷河が消え、台風の強度と集中豪雨が増え、夏の気温が耐えがたいほど上昇している。海面上昇が島に迫り、砂漠が増え、サンゴ礁が半減している。これらにより陸海の食料生産が大規模に損壊され、水資源が枯渇し、大量の移住が迫られる。今後、世界の年間損害額は6000兆円になるとされている。我々が温暖化ガスの排出を今すぐ止めても、地球の上昇した気温を元に戻すことは出来ない。既に取返しが付かない。

 

7. AI産業革命が始まった


 ITAIが経済と社会に与える影響は計り知れない。変革は社会に深く入り込み、人間はそれから逃げることができない。かつての産業革命の初期に、労働者への圧迫と失業が起こり、次いで、国民が立ち上がることにより、世界にその成果が行きわたった。しかし今度の相手は、人間を遥かにしのぐAIだから、深刻だ。これを仕切れるのは、聡明で科学的思考が出来る大統領でなくてはならない。パンデミック時、約39万人の命を無駄にした大統領には不可能だ。

  

8. 分断と対立が益々深刻になっている


 宗教、移民、人種よる対立が深まり、紛争に繋がっている。移民排斥が、欧米の右翼ポピュリズムの主眼になっている。他の大陸では宗教、部族、民族の対立が深刻です。米国の分断は、移民・黒人への差別もあるが、政策を異にするリベラルと保守の対立に原理主義的な宗派が加わったことが大きい。今は、米国筆頭に、融和から対決姿勢に代わり、民主主義を否定し、独裁を待望するようになってしまった。

 

9. 世界が対立し分裂し始めている


 第二次世界大戦まで、戦争犯罪を裁く世界が認めた手段がなかった。しかし、世界が協力して国際司法裁判所を作り、戦争犯罪を認定できるようになった。これは戦争犯罪への抑止策に繋がる。しかし、大国の都合で、これが破られている。世界は団結して紛争や戦争を抑止する一環として、これを育て発展させる必要がある。

  

10. 最重要課題:米国の衰退が限界に達しつつある


  米国では超富裕層が出現した一方で、貧困層が増え、絶望死が増えている。これは半世紀に及ぶ自由放任と金融重視が、企業・富裕層優位と労働軽視を生み、これにより経済格差が拡大し固定化したからです。この人々の不満が煽情され、社会は分断し、やがて独裁者が待望されるようになった。これが進むと、米国はさらに悲惨な状況に陥るだけでなく、世界に甚大な危機を呼び込むことになる。

   様々な地球規模の危機を回避するには、世界が一致団結しなければならない。しかし、ここ20年ほど、米国を筆頭に世界も急速に分断され始めた。日本のように大国の横暴に尻尾を振るだけでは、破滅の手助けをしているようなものです。世界各国と国民が協働して、大国の横暴を拒否し、先ずは米国が正常な国家に再起出来るように手助けすべきです。逃げていては地球は最大の危機に見舞われる。

 

 歴史を振り返ると、国が一度衰退し始めると再起不能になった事例は事欠かない。米国はその瀬戸際にある。トランプを支援する方々は、どうか夢想と引き換えに現実、独裁者誕生から目を逸らさないでください。ヒトラーを熱望した事を後で悔やんでも遅いのです。

 

 

----全体の目次----

第一章、世界に迫っている危機の要約。

第二章、人類はこれまでに危機に対してどう対処して来たか。 

第三章、我々が直面している重大危機。

第四章、米国の衰退と世界の危機回避能力喪失は一体。

第五章、如何にあるべきか。

第六章、成功している北欧は資本主義のもう一つ道。