Wednesday, June 5, 2019

平成の哀しみ 52: 日本経済に何が起きているのか 15: 夢のバブル経済 5







バブル崩壊は社会を破壊する


 


1997年にアジア通貨危機が起きた。

通貨の暴落によって、アジア5ヵ国が一瞬にして好景気から金融危機に陥った。

被害は?

各国のGDPは軒並み50~30%減少した。
貧困率はインドネシアで2倍以上に跳ね上がり4500万人も増え、韓国も2倍以上になった。
男性の自殺はタイや韓国で約2倍に増えた。
これは倒産・失業の直接の影響だが、それ以外の被害も甚大だった。

生活物資の高騰と失業者増大で栄養失調が蔓延した。
さらに各国は税収減とIMFの勧告により福祉・医療予算の大幅な削減を行った。
これによりタイ一国(人口6700万人)で、その後の5年間で肺炎、結核、HIV(貧困による売春増加も)による死亡者数が5万人増加した。
バブル崩壊は経済を破壊するだけでなく、緊縮財政により弱者・貧者を追い詰める。

IMFと日本が合計5兆円の支援を行ったが、多くは経済・企業の救済になる。
こうしてバブル崩壊を繰り返すたびに先進国でも所得格差が広がっていく。

この切っ掛けはヘッジファンドがタイの通貨を空売りし、通貨が大幅に下落したことによる。
欧米の投機家が数千億円の利益を得るが為に、アジアの約10万人の命が奪われた。


次に続く



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