Tuesday, April 2, 2019

平成の哀しみ11: 深まる亀裂 9: 美化される歴史






なぜ美化されるのか





 



日本の歴史は自虐史観によって歪められていると説く人がいる。

彼らは、日本民族は他と異なり特段に優れ、長い歴史を持つ神代の国で、文化は物真似ではなく独創的であるとする。
これを聞いて思い当たるものがある。

これは紀元前後の聖書、史記や日本書紀などの国史に通じる。
これらは民族や国がまとまりつつある時期に、為政者側で作られた。
そこには悲願や正統性が高らかにうたわれている。
面白いことに、他の宗教や民族から見ると眉唾物だとされる。

一方、古代ギリシャのヘロドトスの歴史やトゥキディデスの戦記は、これらと異なる。
この二つは個人が書き上げ、市民に当時の二大戦争を語るものでした。

何が異なるのだろうか?

歴史を見る目、意図が真逆です。
前者は国民に国体を、後者は市民に真実を伝えるものでした。

ある時は自国の歴史を見直すことにより独立機運を高めた、また戦争の歴史を確認し自戒を求めたこともあった(聖書の預言書も)。

一方で、幾たびも現れるホローコースト否定論、これは反ユダヤ主義者を勢いづけて来た。
ヒトラーもゲルマン民族の歴史を美化し、他民族への敵意を煽った。

歴史の美化は曲解をうみ易く危険です。


次回に続く




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