Tuesday, March 13, 2018

何か変ですよ! 95: 今、何かが崩れようとしている


 
< 1. 野党による財務省での聞き取り調査 >


今、日本の中枢で起きていることを透視します。
何が国民にとって最重要課題なのでしょうか?
つまらない中傷と致命傷を仕分けします。



 
< 2. 縁故主義の疑念でアベ政権の未来は、by The Guardian >


* はじめに

ようやく、森友文書改ざんが世間に知られるようになりました。
ここ数日の間に、沈黙を守っていた多くのマスコミも追及を始めました。
さらに御用新聞(注釈1)も論点をすり替えてはいるが報道を始めました。

私が良識ある皆さんに願うのは、事件の深層を見抜き、そこに解決すべき問題に気付いて欲しいのです。

これから細かいことは省き、今回の事件のエッセンスだけを語ります。



* 森友文書改ざんについて

事実としては、「国会での森友問題への追及をかわす為に、提出すべき財務省の決裁文書が改ざんされた」ことだけです。

平たく言えば、見えている事実はこれだけです。
予定通り、現在、財務省は一部の人間による犯行だと説明している。

「これがそんなに深刻な問題とは思えない」が多くの人の実感ではないでしょうか。

ここで「これは問題ではない」との一連の発言をみましょう。
そこから真実が浮かび上がって来ます。

* こんな便宜供与は日常茶飯事であり、首相の妻に限った事ではない。これを騒ぎ立てる野党には不純な動機がある(維新の足立議員)。

* これは、人が死ななければならないような問題ではない。つまり些細な問題(学者の三浦瑠麗)。

これら矮小化を意図する発言として
* これを政争の具に使う野党の手口には乗るな。
* これは財務省だけの問題に過ぎない。
* これは単なる修正に過ぎない。
* 朝日新聞は明確な証拠を示さず、疑惑だけ報じて国会を混乱させた責任は重い(数日前までの論調)。


これらの報道しか触れない人々にとって、確かに事件は些細な事に映るだろう。


 
< 3.居並ぶ天真爛漫な笑顔が素敵です! >



* 問題のとっかかり

例えば、朝日新聞の今年3月2日からの報道が国会を混乱させたと、多くの識者やマスコミが批難しました(もっとも側用人か御用マスコミかも)。

しかし、よくよく考えて見れば、この混乱は1年前に始まっていました。

政府や官僚が如何に追及されようとも、知らぬ存ぜぬの一点張りで完全否定、資料は破棄したと断言し、証人喚問は不要だとして来た。
今回、明らかになった虚偽行為を必死に隠し通して来た。

もし、本当に国会を混乱をさせたくないのであれば、管理責任のある政府がまともな調査を一度でも行っていれば、事件は1ヶ月以内で解決したことでしょう。

つまり内閣は、疑惑の否定を主導し解明を妨げて来た。

これは国会の議事進行などで明らかです。
一例を挙げておきます。
「関係省庁の幹部がモリカケ問題の答弁で細かい手続きを説明すると、途中で“もっとはっきり否定せよ”といったメモが入る。そこには“PMの指示”と書かれていて、総理からダメ出しされているという意味だ。メモがくれば幹部は飛び上がって指示通りに答弁する」(PMはプライムミニスターの略、今年2月20日のYAHOOニュースより。

つまり、関係省庁を政争の具に使って、国会の混乱に拍車をかけたのはアベ首相なのです。



 
< 4. 間抜けな攻防 >


* 深い問題とは何か

上記のことは、それこそ表面的なものです。

ポイントになる事実を少し挙げます。

* 会計検査院は森友問題で既に「2種類の文書に気付いていた」が問題としなかった。

* 改ざん前の決裁文書には、きめ細かく経緯が書かれ、名だたる政治家と首相の縁故関係が明記されていた。
改ざん後、アベ首相の妻、首相が副会長を務め閣僚の8割を占める日本会議(右翼団体)、その一翼を担う森友学園の関係が消されていた。

* 大臣が「既に無くなっていた」と言明した資料が厚労省地下から32箱の段ボールで見つかった。
同様な事件は防衛省の日報など、頻発している。

* 現在、マスコミや野党が追及し内閣が否定し続ける問題は、他に幾らもある。
それらはすべてアベ首相の縁故者か側近が関わったものです。


これで問題が明瞭になって来ました。

* トップの縁故者や自民党政治屋による便宜供与は日常茶飯事であり、官僚は証拠としてそれを記録している。

* 会計検査院や厚労省などの対応から、官庁全体に腐敗(隠蔽、虚偽発言)が蔓延し、大臣主導が明確な事案も多いことがわかる(最低でも大臣は加担している)。

つまり、今の政権と官庁は腐敗まみれと言えます。



 

< 5. 国会、抱腹絶倒!!「おらおら、うるさい!」「痛い!」 >


* 実はこれだけでは済まない問題

この腐敗がなぜここまで深刻になったかが問題です。

三つのことが言えます。

A: 2014年5月発足の「内閣人事局」。
B: 長期与党による官庁による便宜許与の悪習。
C: 首相の絶大な人気に群がる人々、それを首相が利用することから生まれる強力な縁故主義。

Aは、民主党政権時に掲げた政権主導が発端だが、アベ政権はこれを恣意的な官僚支配に改悪した(独裁)。

Bは、これは長年の自民党の体質であり、今までも癒着の暴露が繰り返されて来たが、政権が安定するとまた悪質さが露骨になった。

Cは、これは上記二つが土台になっているが、政権やトップに絶大な人気があると今回のように暴走してしまう。

これは悲しい日本の政治文化なのですが、倫理観に乏しいトップ(責任をとらない)であっても人気があれば何でもオーライなのです。
しかし人気が無くなれば同じ行いでも批難され、派閥の力学で責任を取らされるのです。
この時、辞任する人は如何にも自らを恥じた振りをするのです。
人気があれば絶対認めないし、黒を白と平気で言い募ります。

巧みな政治屋はそれが分かっているので、中身を別にして人気取りのパフォーマンスに励むのです。

これでもまだ皆さんは、まだ内閣や官庁が腐敗していようが、大した問題ではないと考えているかもしれません。



 
< 6.とある国の民意 >


次回、この腐敗にどう対処すれば良いかを考えます。




注釈1 御用新聞
最近の報道姿勢から私が御用新聞とみなすもの。
産経新聞、夕刊フジ、読売新聞などが代表格でしょう(他もありますが)。

これらのニュースを見る場合、一応疑って下さい。
何が何でも事件を矮小化し政権維持を計り、またこれまでの報道姿勢の正当化に躍起です。
是非とも他紙と比較してください、親近感を持っている人には耐えがたいことでしょうが。
電子版のサイトで簡単に比較出来ます。







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