Friday, November 29, 2013

デマ・偏見・盲点 11: 知ること、知られること 2



今回は、情報の不思議さと恐ろしさについて見ます。

1.情報の漏洩
国家が交戦中、味方の作戦や配備が敵に漏れ、敵の情報が取れない場合は悲惨な結果を招くことになる。
製品開発中の企業にとって、その情報が競争他社に漏れると、先行利益を逃すことになる。
外交交渉、国際間のトラブル、犯罪捜査、兵器開発など、情報公開には慎重にならざるを得ません。
これは敵対する国家や競合する組織において特に重要です。
しかしこのことは一時の問題に過ぎないことが多い。

2.情報の集中と集積
多くの情報はグローバル化が進行し秘密にすることが困難になっています。
例えば、偵察衛星により各国の配備状況は手に取るように知られています、ネッワーク上の情報も同様です。
しかし、この手の高度で大量の情報解析は一部の国家機関だけが可能です。

また金融、法律、医療、原発などの情報は非常に専門的で多岐にわたり、素人の咀嚼は困難です。
これは、一部の組織や人々に情報が集中し集積され、その結果、情報は閉鎖的になる。
例えば、行政を担う官僚にあらゆる情報が集中し、やがて特権が生まれる。
その果てに、様々な不都合を隠蔽しながら自己増殖することが可能になる。
この傾向は、益々強まって行きます。




3.情報の私物化と不正操作
インサイダー取引は公開前の株関連情報を私物化し私利を得ることですが、情報の私物化は行政周辺で頻発する贈収賄の大きな誘因です。
薬害エイズ事件や原子力安全・保安院の実態が示す如く、癒着や馴れ合いが常態化し、その事実は容易に隠蔽することが出来ました。
マスコミが突っつく程度では、政府と官僚は動じることなく、大事故が起きた後、やっと明らかになった。
国民の多数の命や大事故、不利益に直結する政策で、日常的に起きてしまうのです。
贈収賄で罰せられる公務員ですが、不思議なことに癒着による法案作成(安全基準)の手抜きでは罰せられない。

障害者郵便制度悪用事件では、検察内部で証拠を捏造し、村木氏を犯人に仕立てたのです。
この手の不正操作は、枚挙にいとまがない。
佐藤首相は非核三原則でノーベル平和賞を受賞したが、裏では米の核持ち込みを認める密約(1969年)に署名していた。
一記者がこの密約を以前から指摘していたが、やっと数年前の政権交代で明るみに出た。

次回は、歴史的な情報操作について見ます。








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