Monday, May 19, 2014

人類の歩みと憲法 12: 世界が生みだした戦争防止策

 

< 1. ヴェストファーレン条約調印 >

今回は、世界が戦争の防止に取り組んだ動きを見ます。

1648年、ドイツで、ヴェストファーレン条約
これはヨーロッパの百年に及ぶ宗教戦争に終止符を打った講和条約でした。
参加国が66ヵ国を越える画期的な国際条約でした。
ここから「他国の主権を認め、武力で勝手に正統性を押し付けてはならない」という国際法の智恵が芽吹きました。

1791年、フランス、憲法
「国民は征服の目的を持って、いかなる戦争をも行うことを放棄し、またいかなる人民の自由に対しても、武力を行使しない」と唱えた。


ウィルソン米大統領が十四箇条の平和原則を発表

< 2. ウィルソン米大統領が十四箇条の平和原則を発表 >

1918年、米国で、十四箇条の平和原則
米大統領が第一次世界大戦終結の糸口を示し、新たな国際秩序を提示した。
戦争への反省から、秘密外交の中止、経済障壁の撤廃、軍備縮小、民族自決の承認(一部)、国連設立などを謳った。

1928年、フランスで、不戦条約 
国際連盟の戦争禁止の不徹底を補う目的で締結され、93ヵ国が署名。
「国際紛争の解決はすべて平和的手段によるものとし,一切の武力使用禁止を約した。」

1931、35年、スペイン憲法、フィリピン憲法
「国家の政策の手段としての戦争を放棄する」ことを謳った。

国連総会

< 3. 国連総会 >

1945年、米国で、国際連合憲章
国際連合と紛争の平和的解決手続,平和破壊への対処について規定し、51ヵ国が調印。
武力による威嚇又は武力の行使を原則的に禁止した。
*武力や自衛について重要な条文
51条 「加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」
43条 「軍事的強制措置は、安全保障理事会と加盟国の間の特別協定に従って提供される兵力・援助・便益によって行われる。」

1946~49年、フランス憲法、日本国憲法、イタリア憲法、ドイツ憲法
仏「征服を目的とする戦争」、伊「国際紛争を解決する方法としての戦争」、独「侵略戦争を準備する行為」、概ね侵略と戦争を禁止した。
*日本国憲法9条「・・武力による威嚇または武力の行使は。国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」。

1951年、欧州石炭鉄鋼共同体条約調印、EUの母体 

< 4. 1951年、欧州石炭鉄鋼共同体条約調印、EUの母体 >

まとめ
世界は350年の間、多国間と国家自身で戦争の防止と禁止を約して来た。
人類は無限連鎖と思われた戦争を、地球全体で克服しようと苦闘している。
その動きは徐々に強まり、各国が手を取り始め、加速しているようにも思える。

米国は独立色の強い隣接した13邦が連邦することから始まった。
EUは、戦争を繰り返さない為に、千年を越える報復の連鎖を断ち切り、異なる民族のドイツとフランスを中心に6ヵ国が手を握った。
現在、その隣接する国の輪は広がり、28ヵ国にまでなり、ヨーロッパと世界の平和に大きく貢献し、希望を与え続けている。


欧州議会の本会議場 

< 5. 欧州議会の本会議場 >

しかし、これは志半ばと言えます。












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